デジタル大辞泉 「子等」の意味・読み・例文・類語 こ‐ろ【子▽等】 《「ろ」は接尾語。上代東国方言》「こら(子等)」に同じ。「小菅ろの末うら吹く風のあどすすかかなしけ―を思ひすごさむ」〈万・三五六四〉 こ‐ら【子▽等/▽児▽等】 1 子供たち。2 上代、人を親しんでよぶ語。多く単数の女性に対して用いるが、複数のことも、男性の場合もある。「みつみつし久米の―が粟生あはふには」〈記・中・歌謡〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「子等」の意味・読み・例文・類語 こ‐ら【子等・児等】 〘 名詞 〙 ( 「ら」は接尾語 )① 古く、人の子を親しみを込めていう語。[初出の実例]「術(すべ)も無く苦しくあれば出で走り去(い)ななと思へど許良(コラ)に障(さや)りぬ」(出典:万葉集(8C後)五・八九九)② 古く、人を親しみを込めていう語。[初出の実例]「みつみつし 久米(くめ)の古良(コラ)が 頭推(くぶつつ)い 石推(いしつつ)いもち 今(いま)撃(う)たば良(よ)らし」(出典:古事記(712)中・歌謡)③ 特に、男性から女性に親しみを込めていう語。[初出の実例]「焼津辺(やきづへ)にわが行きしかば駿河なる阿倍の市道(いちぢ)に逢ひし児等(こら)はも」(出典:万葉集(8C後)三・二八四)④ ( 「ら」は複数をあらわす ) 子どもたち。〔改正増補和英語林集成(1886)〕[初出の実例]「遺された子等(コラ)に対する愛」(出典:嫂の死(1916)〈里見弴〉)子等の補助注記④の意以外の用例は、「万葉集」を中心に上代の韻文にほぼ集中している(東国語ではコロやコナの形で見られる)。 こ‐ろ【子等】 〘 名詞 〙 ( 「ろ」は接尾語。上代東国方言 ) =こら(子等)[初出の実例]「昨夜(きそ)こそば児呂(こロ)とさ寝しか雲の上ゆ鳴き行く鶴(たづ)のま遠く思ほゆ」(出典:万葉集(8C後)一四・三五二二) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例