孝堂山石祠(読み)こうどうざんせきし(その他表記)Xiào táng shān shí cí

改訂新版 世界大百科事典 「孝堂山石祠」の意味・わかりやすい解説

孝堂山石祠 (こうどうざんせきし)
Xiào táng shān shí cí

中国,山東省長清県孝里鋪の孝堂山中腹にある。石祠後方の墳墓を孝子郭巨(二十四孝)の墓と伝え,孝堂山の名はそれにちなむ。祠堂は厚さ20cmの板石を東・西壁,後壁のコの字に組み合わせて構築され,前面中央に八角柱,東西両端に袖壁を設け,上方は瓦ぶきを造り出した石屋根で覆う。内法は東西約3.8m,南北約2m,漢代祠堂建築のうち現存する唯一のものである。祠堂内面は画像を線刻で表すが,刻線の幅に太細をつけ,画像を鮮明にする工夫がされている。画題は各壁に伏羲女媧,西王母などの神仙図,歴史故事,勧戒図,それに車馬行列,狩猟争闘雑伎,殿屋,饗宴などがあり,八角柱上の中央隔壁にも始皇昇鼎,橋上墜車の故事,日月星辰が表されている。創建年代は確定し難いが,永建4年(129)の追刻銘があり,少なくも後漢前半にさかのぼろう。孝堂山下にも画像祠堂が発見され,これは現在東京国立博物館に陳列されている。
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百科事典マイペディア 「孝堂山石祠」の意味・わかりやすい解説

孝堂山石祠【こうどうざんせきし】

中国,山東省肥城県孝里舗にある祠堂。石灰岩製の切妻造で,2間の間口の中央に大きな八角石柱が立ち,漢代の木造建築を模している。壁面,梁(はり)に人物馬車戦闘などの画像があり,永建4年(129年)の銘から後漢中期以前の建造と推定される。
→関連項目画像石

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