女媧(読み)ジョカ

デジタル大辞泉の解説

じょか〔ヂヨクワ〕【女媧】

中国古代神話上の女神。人首蛇体。伏羲(ふっき)と夫婦、また、兄妹ともされ、人類の創造主とする伝承もある。一説に、三皇の一人。泥をこねて人間をつくり、天が崩れそうになったとき、5色の石を練って天を補修したという。

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世界大百科事典 第2版の解説

じょか【女媧 Rǔ wā】

中国神話にみえる創生神。南方族の洪水説話伏羲(ふくぎ)・女媧の兄妹,あるいは姉弟の2人だけが助かって夫婦となり,人類の始祖となったという。文献的には戦国期以後のものにみえ,人作りしたことは《楚辞》天問に,また共工が顓頊(せんぎよく)に敗れて怒って天柱を折り,女媧がこれを補修したという補天の話は,《淮南子(えなんじ)》覧冥訓にみえる。その身は竜体で,同じく竜体の伏羲と下体が相交わる神像として,のちまでも行われた。

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大辞林 第三版の解説

じょか【女媧】

中国の古伝説上の女帝。三皇の一。女希氏・媧皇かこう・女皇とも。伏羲ふつきの妹、または妻というが、漢代以前の古書では二人は関連がない。人首蛇身。こわれた天を補修し、天を支える柱を立て、蘆の灰を積んで洪水を止めたという。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


じょか

中国の古代神話に登場する女神。彼女は天地を補修し、人類を創造した造物主として知られている。『淮南子(えなんじ)』によると、太古に天を支えていた4本の柱が折れると大地はずたずたに裂け、至る所に大火災が発生し、洪水が大地を覆い、さらに猛獣や怪鳥が横行して人々を苦しめたという。そこで女は、五色に輝く石を溶かして天の欠けた部分に流し込み、これを補った。また大亀(おおがめ)の足を切り取って天と地を支え直したので、地上にはふたたび平安がよみがえったという。一方『風俗通義(ふうぞくつうぎ)』(後漢(ごかん)末)には、女が人間をつくったという物語がみえ、それによると、彼女は初め黄土を人の形にこねあげて、人間をていねいに1人ずつつくっていた。ところが、作業にほねが折れすぎて休むまもないのに業(ごう)を煮やした女は、ついに縄を泥中に浸してそれを引き上げた。そのときに縄から飛び散った泥のしずくがすべて人間になったという。こうした創造神としての伝承はやがて変化し、女は三皇の一人となったり、また男性神の伏羲(ふくぎ)と夫婦とも考えられるようになった。しかし上半身は人間だが、下半身が蛇形に描かれた伏羲と女が、互いの尾を絡み合わせて並んでいる姿が画像石などに残されており、むしろこうした蛇身の姿こそ本来の女に近いものと思われる。[伊藤清司]

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世界大百科事典内の女媧の言及

【中国神話】より

…しかし苗族の立場からいえば,共工こそ天地を傾けた大悪神であった。天が北西に傾き,欠漏が生じたところを,女媧(じよか)が五色の土で補修し,それが輝く星となった。女媧こそ救世の主であるが,この竜形の神にはまた人類初生の説話があり,伏羲(ふくぎ)と相交わる竜形の神である。…

【ヒョウタン(瓢簞)】より

…なんでも望む物をその中から出し福運を得たり,妖怪を退治する〈宝葫蘆〉の呪宝譚,葫蘆やウリ類から生まれる霊童出現譚の昔話も伝わっている。人類の始祖〈伏羲(ふくぎ)・女媧(じよか)〉や各種族が葫蘆中から生まれたとする神話がとくに西南の漢族以下諸民族に普遍的に流布している。伏羲,女媧の名まえは葫蘆そのものの意味であり,葫蘆の化身だという聞一多の説もある。…

※「女媧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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