ヘビトンボ科のヘビトンボProtohermes grandis Thunb.の幼虫を乾燥した日本固有の民間薬。古くから宮城県刈田(かった)郡斉川(さいかわ)村(現白石(しろいし)市)で生産されたものが有名で、現在でも「斉川の孫太郎虫」として市販されている。永保(えいほう)(1081~84)のころ、斉川村に孫太郎という生来疳性(かんしょう)病みの童がいたが、大病に陥ったとき、神社の神託によりこの虫を食べて治ったのがこの薬の始まりとされる。山東京伝(さんとうきょうでん)の『敵討(かたきうち)孫太郎虫』(1806)はこの伝説を小説化したものである。小児の疳には、1日一串(くし)(五匹)を砂糖じょうゆに浸(つ)けて焼いて食する。
[難波恒雄・御影雅幸]
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