孫太郎虫(読み)マゴタロウムシ

  • まごたろうむし まごタラウ‥
  • まごたろうむし〔まごタラウ〕

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヘビトンボ科のヘビトンボProtohermes grandis Thunb.の幼虫を乾燥した日本固有の民間薬。古くから宮城県刈田(かった)郡斉川(さいかわ)村(現白石(しろいし)市)で生産されたものが有名で、現在でも「斉川の孫太郎虫」として市販されている。永保(えいほう)(1081~84)のころ、斉川村に孫太郎という生来疳性(かんしょう)病みの童がいたが、大病に陥ったとき、神社の神託によりこの虫を食べて治ったのがこの薬の始まりとされる。山東京伝(さんとうきょうでん)の『敵討(かたきうち)孫太郎虫』(1806)はこの伝説を小説化したものである。小児の疳には、1日一串(くし)(五匹)を砂糖じょうゆに浸(つ)けて焼いて食する。

[難波恒雄・御影雅幸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 ヘビトンボ科の幼虫。体長四~五センチメートル。全体に暗褐色。三対の胸脚と一対の尾毛をもつ。川底の小石の下などにすみ、えらで呼吸し、鎌状の大あごで小昆虫を捕食する。黒焼きにしたものは小児の疳(かん)の妙薬として知られる。地方によってはゲンゴロウの幼虫をいうこともある。孫太郎。《季・夏》
※漫談集(1929)節劇といふもの〈大辻司郎〉「孫太郎虫(マゴタラウムシ)を飲んでさへ治らないと云ふ」

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