孫太郎虫(読み)マゴタロウムシ

デジタル大辞泉 「孫太郎虫」の意味・読み・例文・類語

まごたろう‐むし〔まごタラウ‐〕【孫太郎虫】

ヘビトンボ幼虫。川の底や石の間にすみ、体は円筒状で、体長4~5センチ。腹部は柔らかく両側えら総状に並ぶ。民間小児かんの薬にした。ざざむし。 夏》

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精選版 日本国語大辞典 「孫太郎虫」の意味・読み・例文・類語

まごたろう‐むしまごタラウ‥【孫太郎虫】

  1. 〘 名詞 〙 ヘビトンボ科の幼虫。体長四~五センチメートル。全体に暗褐色。三対の胸脚と一対の尾毛をもつ。川底小石の下などにすみ、えらで呼吸し、鎌状の大あごで小昆虫を捕食する。黒焼きにしたものは小児の疳(かん)妙薬として知られる。地方によってはゲンゴロウの幼虫をいうこともある。孫太郎。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「孫太郎虫(マゴタラウムシ)を飲んでさへ治らないと云ふ」(出典:漫談集(1929)節劇といふもの〈大辻司郎〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「孫太郎虫」の意味・わかりやすい解説

孫太郎虫
まごたろうむし

ヘビトンボ科のヘビトンボProtohermes grandis Thunb.の幼虫を乾燥した日本固有の民間薬。古くから宮城県刈田(かった)郡斉川(さいかわ)村(現白石(しろいし)市)で生産されたものが有名で、現在でも「斉川の孫太郎虫」として市販されている。永保(えいほう)(1081~84)のころ、斉川村に孫太郎という生来疳性(かんしょう)病みの童がいたが、大病に陥ったとき、神社の神託によりこの虫を食べて治ったのがこの薬の始まりとされる。山東京伝(さんとうきょうでん)の『敵討(かたきうち)孫太郎虫』(1806)はこの伝説を小説化したものである。小児の疳には、1日一串(くし)(五匹)を砂糖じょうゆに浸(つ)けて焼いて食する。

[難波恒雄・御影雅幸]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「孫太郎虫」の意味・わかりやすい解説

孫太郎虫
まごたろうむし

「ヘビトンボ」のページをご覧ください。

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