宇宙の地平線(読み)うちゅうのちへいせん(英語表記)cosmic horizon

  • うちゅうのちへいせん〔ウチウ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

膨張宇宙において理論上の観測可能な限界曲面をいう。宇宙が膨張する (→宇宙の膨張 ) ために遠方の天体から放出された光は波長が伸びる (→赤方偏移 ) 。波長が無限大になる位置,つまり,その位置にある天体が光速度でわれわれから遠ざかる距離が地平線である。地平線の位置は,どういう宇宙モデルをとるかによって異なる。現在一般に認められているフリードマン宇宙を考えると,地平線は,宇宙膨張開始の時刻に放出された光が現在達しうる最前線をいうことになる。光学および電波望遠鏡を使って地平線近くの天体を観測することができる。クエーサーのうち,最も遠方にあるものは光速の 91%の速度でわれわれから遠ざかっている。また,電波によって観測される宇宙背景放射は,宇宙爆発の名残りの光であり,宇宙の地平線を観測しているのだといってもよいかもしれない。 (→宇宙の起源と進化 )  

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大辞林 第三版の解説

後退速度が光速に達する銀河の距離。ハッブルの法則によると銀河の後退速度はその距離に比例することから、光速で後退する銀河の距離は約100~200億光年と求められ、これより遠い銀河は見ることができないので、この距離のことをいう。

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世界大百科事典内の宇宙の地平線の言及

【宇宙】より

…その後W.バーデは天体の二つの種族の概念を発表し(1944),それに基づいて1950年ころからアンドロメダ銀河の距離はより大きく改訂され,現在では約220万光年とされている。それに伴い宇宙の距離尺度も1940年代に比べ大きくのばされ,宇宙の地平線(後退速度が光速度となるところ)の距離も現在ではおよそ150億~200億光年と考えられ,膨張宇宙の年齢も150億~200億年と考えられるに至った。今日では大型光学望遠鏡,あるいは大型電波望遠鏡によって,地平線の80%前後までが観測されている。…

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