朝日日本歴史人物事典 「安藤伊右衛門」の解説
安藤伊右衛門
生年:宝暦1.3.17(1751.4.12)
江戸後期の水利,新田開発の功労者。因幡国(鳥取県)八上郡郡家村の富農の家に生まれる。名は正知。郡家村をはじめ近村土師郷14カ村は灌漑水に乏しく,度々旱害に苦しんでいたので,自ら測量して遠く離れた八東川より水を引く計画を立て,鳥取藩に願い出て許可を得,文政3(1820)年から私財を投じて工事に着手,足かけ4年かかって用水路(安藤井手)を開削した。全長約11km,途中にトンネル工事約460m,人夫延べ25万7483人,総工費7万2229両,これにより開かれた新田は27ha余,水利の便を得た古田は275ha余に達した。<参考文献>八頭郡郷土文化研究会編『八頭郡誌』
(松尾寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報