契約の性質上,一定の日時または期間内に履行されないと,契約の目的を達することができない種類の債務。契約上の債務には履行すべき期限が定められていることが多く,それに違反した場合には債務不履行(履行遅滞)となる。契約の中には期限の遵守が強く要請されているものがあり,そのような債務をとくに定期行為(または定期行為である債務)という。たとえば,結婚式用のウェディングドレスを注文し,式の当日までに自宅に届けてもらう約束をした場合,期限が守られず結婚式の翌日に届けられたドレスはほとんど無価値に等しい。この場合ドレスを所定の日に届けるべき債務は定期行為である。これに対して,夕方のテレビ番組をぜひとも見る必要があり,その目的でテレビを購入し,放送時間に間に合うように配達してもらう約束をした場合には,期限が守られず翌日に配達されたとしても,そのテレビは依然として有用性がある。もちろん,購入者としては大変な不利益をこうむる場合もあり,損害賠償が問題とされることもあるが,契約の目的が達成されないわけではなく,このような債務は定期行為には該当しない。なお,債務が履行されないときには,債権者としては債務者に対して催告をしたうえで初めて契約を解除することができるが,定期行為の場合には催告することになんの価値も認められないから,債権者は催告なしに契約を解除できる。
執筆者:栗田 哲男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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