催告(読み)サイコク

デジタル大辞泉 「催告」の意味・読み・例文・類語

さい‐こく【催告】

[名](スル)相手方に対して一定行為をするように請求すること。債務者に対して債務履行を請求するなど。
[類語]迫る求める要求強請きょうせい強迫強談ごうだん催促付く責め立てる要望要請請求注文頼む請う仰ぐ懇請懇望こんもうする所望ちょうするせがむせびるねだる強要請託依頼懇願ゆすり請い求め願うリクエストアンコールせつく催促がましいせがみ立てる急き立てる急かせる尻を叩く矢の催促やいのやいの

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精選版 日本国語大辞典 「催告」の意味・読み・例文・類語

さい‐こく【催告】

  1. 〘 名詞 〙 相手方に対して一定の行為をするよう請求すること。時効中断解除権などの効果が発生する。
    1. [初出の実例]「当事者の一方が其債務を履行せざるときは相手方は相当の期間を定めて其履行を催告し」(出典:民法(明治二九年)(1896)五四一条)

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百科事典マイペディア 「催告」の意味・わかりやすい解説

催告【さいこく】

相手方に対して一定の行為を要求すること。義務者に対し義務の履行を催告する場合と,権利者に対し権利を行使するよう,または権利を申し出るように催告する場合がある。催告に応じない場合には,時効の中断,債務不履行責任を負うことなど一定の法律効果を生ずる。→公示催告
→関連項目契約解除公示抗弁権失権約款補充性履行遅滞

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改訂新版 世界大百科事典 「催告」の意味・わかりやすい解説

催告 (さいこく)

相手方に一定の行為をなすよう請求すること。(1)債務者に債務の履行を求める(たとえば貸した金の返済を求める)場合と,(2)権利者に権利の行使や申出を求める(たとえば無能力者のなした取り消しうる行為を追認するか否かの確答を無能力者側に求める)場合がある。催告にはその者が欲した法律効果は伴わないが,催告をしたという事実に対して法律は一定の効果を与えている。すなわち,(1)の例の場合,催告によって催務の履行という効果は生じないが,それに対して時効の中断(民法147,153条),履行遅滞(412条3項),解除権の発生(541条)という効果が法律によって与えられる。(2)の例の場合,催告に対して一定期間内に確答しないとその行為を追認したとみなされる場合と取り消したとみなされる場合とがある(19条)。無能力者側が追認または取消しの権利を行使しないために生ずる浮動的法律関係を確定するため法律によって与えられた効果である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「催告」の意味・わかりやすい解説

催告
さいこく

一定の行為をすべきことを相手方に要求する通知(意思の通知)。義務の履行の催告と、権利の行使の催告とに区別できる。前者は、たとえば、債務者を遅滞に陥らせる(それによって債務者は履行遅滞の責任を負うようになる)ための催告(民法412条3項)、時効中断のための催告(同法153条。ただし、中断の効力は弱く、6か月以内に裁判上の請求をするなどより強力な方法をとらないと、時効中断の効力を生じない)、解除権を発生させるための催告(同法541条)などであり、後者は、たとえば、制限行為能力者の行為の追認の催告(同法20条)などである。

淡路剛久

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「催告」の意味・わかりやすい解説

催告
さいこく
Mahnung

ある者が他の者に対して一定の行為をするように請求することをいう。債権者から債務者に対して行われるのが普通である。たとえば,債権者が債務者に対し貸金の返済を催促する場合などがそうである。催告に応じた行為がなされなかった場合に,初めて法律効果の生じることが多い。すなわち,弁済 (履行) の請求に応じないと,損害賠償義務や契約解除権が発生する (民法 541) 。なお権利者に対して権利の行使または申し出を促す催告もある。

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普及版 字通 「催告」の読み・字形・画数・意味

【催告】さいこく

督促。

字通「催」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の催告の言及

【公示】より

…公の機関が行う公示は告示の形式をとることがある。私人がその権利を行使しまたは保全するためにする催告(請求)が公示の方法をとることがある(商法230条,会社更生法262条3項)。これは広範囲または不特定の利害関係者にその権利の行使や異議申立ての機会を与えるためである。…

※「催告」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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