宮内庁楽部(読み)くないちょうがくぶ

山川 日本史小辞典 改訂新版 「宮内庁楽部」の解説

宮内庁楽部
くないちょうがくぶ

雅楽の演奏教習機関。1870年(明治3)太政官なかに組織された宮内省雅楽局に始まる。その後たびたび名称の変更があり,1949年(昭和24)に宮内庁式部職楽部と改められ現在に至る。本来楽部は雅楽を奏するものだが,1874年に西洋音楽習得を命じられ,洋楽先行者の役割を担うことになった。当時の楽部が残した重要な仕事に「保育唱歌」の編成がある。現在は宮中外での演奏活動も盛んになり,国立劇場への出演,欧米への演奏旅行も行っている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宮内庁楽部」の意味・わかりやすい解説

宮内庁楽部
くないちょうがくぶ

宮中の雅楽を伝承している機関。宮内庁式部職楽部の略称で,楽部ともいう。現在事務官課長と,楽長,楽師,楽生で構成され,雅楽のほかに洋楽も行う。大宝1 (701) 年に雅楽を管掌するものとして雅楽寮が設置され,平安時代中期には楽所 (がくそ) となった。明治維新後,雅楽局,雅楽課,雅楽部と改称し,1921年に楽部と改められた。宮中の儀式などの雅楽を担当しており,55年に重要無形文化財の指定を受けた。

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