寄蔵(読み)キゾウ

デジタル大辞泉 「寄蔵」の意味・読み・例文・類語

き‐ぞう〔‐ザウ〕【寄蔵】

贓物ぞうぶつとなった行為の一。犯罪行為で得た物と知りながら預かり隠すこと。法律用語としては平成7年(1995)の刑法改正以前のもので、改正後は「保管」という。

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精選版 日本国語大辞典 「寄蔵」の意味・読み・例文・類語

き‐ぞう‥ザウ【寄蔵】

  1. 〘 名詞 〙 犯罪行為によって得たものであると知りながらそれを預かって隠すこと。
    1. [初出の実例]「第五条の物件なることを知りて之を譲受け、借受け、担保に取り、寄蔵し若は其牙保を為したる者」(出典:古社寺保存法(明治三〇年)(1897)一三条)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寄蔵」の意味・わかりやすい解説

寄蔵
きぞう

盗品等を依頼を受けて保管すること(刑法256条2項)。刑法第2編第39章は、1995年(平成7)の刑法改正によって、「贓物(ぞうぶつ)の罪」という罪名が「盗品等に関する罪」に、また、「寄蔵」の語も「保管」に改められた。刑法第256条2項は、盗品等の保管、運搬有償の譲り受け、処分のあっせんを処罰している。ただし故意犯であり、目的物が盗品等であることの認識を要する。このうち、盗品等保管罪は、財産犯人自身やその他の人から頼まれて、盗品等と知りながら、これを預かったり、質物として受領したりする場合に成立する。通説判例によれば、この保管は有償・無償を問わない(有償に限るとする説もある)。窃盗犯人など本犯者(共同正犯者を含む)については本罪が成立しないが、本犯の教唆犯従犯幇助(ほうじょ)犯)については成立する。ただ、第257条の特例によって、本犯者の配偶者、直系血族、同居の親族もしくはこれらの者の配偶者が本罪を犯した場合には、その刑が免除される。

[名和鐵郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寄蔵」の意味・わかりやすい解説

寄蔵
きぞう

贓物罪 (ぞうぶつざい) の一態様で,委託を受けて贓物を保管することをいう (刑法 256条2項) 。有償,無償を問わない。

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