対馬暖流(読み)ツシマダンリュウ(その他表記)Tsushima Warm Current

デジタル大辞泉 「対馬暖流」の意味・読み・例文・類語

つしま‐だんりゅう〔‐ダンリウ〕【対馬暖流】

対馬海流

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「対馬暖流」の意味・わかりやすい解説

対馬暖流
つしまだんりゅう
Tsushima Warm Current

東シナ海から対馬海峡を経て日本海に流入し、津軽海峡宗谷海峡から流出する海流。対馬暖流の起源については、九州西方で黒潮から分離した海流であるというものと、台湾海峡から対馬海峡に続く一連の、黒潮とは別の海流系であるという二つの考えがある。その流路は、津軽海峡に近い秋田沖より北では本州・北海道に沿って北上しているが、日本海南西部では2、3条に分かれており、それぞれの間に渦流がみられたり、大きく蛇行を繰り返したり変動に富んでいる。流量は夏から秋にかけてもっとも多く、毎秒200万立方メートル程度である。海面水温は、対馬海峡付近で12℃(冬季)~26℃(夏季)と温暖で、冬季には寒冷なシベリアからの気流を暖めるとともに大量の水蒸気を補給し、日本海側に多量の降雪をもたらしている。

[長坂昂一・石川孝一]

『日本水産学会編『対馬暖流――海洋構造と漁業』(1974・恒星社厚生閣)』『磯田豊・是松弘志著「対馬暖流域における水温・塩分・溶存酸素の鉛直断面分布の経年変化」(『海と空』71号所収・1995・海洋気象学会)』『佐藤晋一著「対馬暖流の流勢評価について」(『青森県水産試験場研究報告』1号所収・2001・青森県水産試験場)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の対馬暖流の言及

【対馬海流】より

…対馬海峡を通って日本海を流れる海流。対馬暖流ともいう。黒潮の一部が対馬海峡を経て日本海に入り発達したもので,日本海で分岐が見られる。…

※「対馬暖流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android