小倉色紙(読み)オグラシキシ

関連語 田村

改訂新版 世界大百科事典 「小倉色紙」の意味・わかりやすい解説

小倉色紙 (おぐらしきし)

いわゆる小倉百人一首の歌をその撰者藤原定家がみずから書した色紙。京都嵯峨の小倉は風光優雅で古来多くの山荘がいとなまれた。和歌をよくした武将宇都宮頼綱もここにいて,その小倉山荘の障子(襖障子)に貼る色紙形(しきしがた)に,頼綱の依頼によって書かれたものという。そのため〈小倉山荘色紙和歌〉とも呼ばれる。100枚あったはずであるが,後世散逸して,江戸時代には30枚程度に減じていた。定家は歌道の上で大変あがめられたので,その奇異な書も名筆として尊ばれ評判も値段も高く,なかでも小倉色紙が最高で1枚1000両をこしたという。この名声によって類似品や偽物も多くつくられている。色紙の寸法はおおむね縦18cm,横16cmほど,下絵は諸種あり,書は4行書き,そして放ち書きが多い。藤田美術館などに分散して所蔵される。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小倉色紙」の意味・わかりやすい解説

小倉色紙
おぐらしきし

藤原定家筆といわれる『小倉百人一首』の色紙。『明月記』の嘉禎1 (1235) 年の条に,定家が嵯峨中院障子の色紙形に,天智天皇以下 100人の和歌を書いた記事があり,世にいう小倉色紙はこれに相当するという。定家 74歳のときの書。現存の色紙は後世に筆写したものもあり,疑問な点が多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む