いわゆる小倉百人一首の歌をその撰者藤原定家がみずから書した色紙。京都嵯峨の小倉は風光優雅で古来多くの山荘がいとなまれた。和歌をよくした武将宇都宮頼綱もここにいて,その小倉山荘の障子(襖障子)に貼る色紙形(しきしがた)に,頼綱の依頼によって書かれたものという。そのため〈小倉山荘色紙和歌〉とも呼ばれる。100枚あったはずであるが,後世散逸して,江戸時代には30枚程度に減じていた。定家は歌道の上で大変あがめられたので,その奇異な書も名筆として尊ばれ評判も値段も高く,なかでも小倉色紙が最高で1枚1000両をこしたという。この名声によって類似品や偽物も多くつくられている。色紙の寸法はおおむね縦18cm,横16cmほど,下絵は諸種あり,書は4行書き,そして放ち書きが多い。藤田美術館などに分散して所蔵される。
執筆者:田村 悦子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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