小斎(読み)ショウサイ

デジタル大辞泉 「小斎」の意味・読み・例文・類語

しょう‐さい〔セウ‐〕【小斎】

少量の食事
カトリック教会で、キリスト苦難をしのぶために定めた、肉食をしない日。日本では、毎金曜日、灰の水曜日

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精選版 日本国語大辞典 「小斎」の意味・読み・例文・類語

しょう‐さいセウ‥【小斎】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] ( 「斎」は居室の意 ) 小さな部屋。小さな住居。
    1. [初出の実例]「小斎蛍雪愁同案、上苑鶯花酔共筵」(出典:蕉堅藁(1403)寄宥寛仲)
  3. [ 二 ] ( 「斎」は食事の意 )
    1. 仏語。少量の食事。〔文明本節用集(室町中)〕
      1. [初出の実例]「紫野大徳寺の椿首座、俊蔵主など小斎をすすむとて」(出典:再昌草‐享祿五年(1532)六月一七日)
    2. キリスト教で、キリストの受難を思い起こすため、灰の水曜日や聖金曜日、キリスト降誕の前日などに、鳥獣の肉を食さないこと。
      1. [初出の実例]「サレバ ゴヲキテノ ウチ ヒトツノ xôsay(ショウサイ) ヲ ヤブリ」(出典:バレト写本(1591))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小斎」の意味・わかりやすい解説

小斎
しょうさい
abstinentia

贖罪の行為の一つで,ある種の食物摂取を禁じること。この種の行為はさまざまな民族の間に種々の理由と様式で行われてきたが,特に小斎と呼ばれるのはキリスト教の場合で,キリストの苦難を信者が記念し,その犠牲にあずかるために行われる。現代のカトリック慣行では,小斎には鳥獣の肉を食べることが禁じられる。伝統的に毎金曜日が小斎日とされてきたが,日本では現在掟としては灰の水曜日と聖金曜日の2日のみとなった。この両日には大斎も義務となっている。

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普及版 字通 「小斎」の読み・字形・画数・意味

【小斎】しようさい

小室

字通「小」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の小斎の言及

【断食】より

…またアッシジのフランチェスコがアルベルナ山に入ってから断食と祈りの生活に没頭し,自分の手足とわき腹にキリストの聖痕を得たことはよく知られている。カトリックでは斎日Fastというのがあって,大斎とか小斎という。これはイエス・キリストの断食修行の苦難を追体験するためのものであって,聖金曜日とか降誕祭の前日などに行われる。…

※「小斎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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