小早(読み)こはや

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

小早
こはや

江戸時代の船舶の一つ。櫓 (やぐら) はなく艪 (ろ) 40丁以下の船で,速力があるところから小早と呼ばれた。摂津伝法村の廻船業者が,酒を大坂から江戸に運ぶのに用いたが,船足の早いところから物見船飛脚船としても用いられた。 (→廻船 , 樽廻船 )

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デジタル大辞泉の解説

こ‐ばや【小早】

[名]小早船」の略。
[形動][文][ナリ]時間的に少し早めであるさま。また、少し急ぐさま。「小早に出かける」「小早な足どりで歩く」

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大辞林 第三版の解説

こばや【小早】

( 名 )
小早船」に同じ。
( 形動 ) [文] ナリ 
すこし早いさま。こいそぎ。 「 -に歩いていく」

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精選版 日本国語大辞典の解説

こ‐ばや【小早】

[1] 〘形動〙 少し急ぐさま。小いそぎ。また、時間的に早いこと。早めであるさま。
※千鳥(1906)〈鈴木三重吉〉「小早に日の当る方へと泳いで行く」
[2] 〘名〙 (「こばやぶね(小早船)」の略)
① 中世末期以後の水軍で用いられた軍船の一種。早船(関船)の小型のもの。江戸時代、艪(ろ)四〇挺立て以下のものをいうが、初期には三四挺立て以下とされていた。関船に比べ、艪数の割に船体が大きく、矢倉を設けず、半垣造り程度の軽装で、軽快に行動する。幕府や諸大名が多く所有していた。小関。
※元寛日記(1615‐43)「次に小早二双相双、御小姓組・御書院番乗之」
② 江戸時代の海運で、早廻りの廻船を早船といい、その小型のものをいう。通常三〇〇石積以下の荷船で、特定の船型をいうものではなく、渡海船のような五〇石積級から五〇〇石積級のものも含まれる。
※俳諧・崑山集(1651)六「空の海のこはやか夏の月のふね」

こ‐ばや・い【小早】

〘形口〙 こばや・し 〘形ク〙 (「こ」は接頭語) 急ぎぎみである。あわただしい。また、時間的に少し早い。はやめである。
※応永本論語抄(1420)郷党第十「趨とは走には非ず。足を張てこはやく歩を云」

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世界大百科事典内の小早の言及

【水運】より

…ついで27年(寛永4)大坂に菱垣廻船問屋が開業し,菱垣廻船の仕立てを行い,御城米と一般商人荷物の江戸向輸送にあたらせるようになった。菱垣廻船は菱垣廻船問屋の手船や紀州・大坂周辺などの雇船であったが,正保期(1644‐48)になると伝法船が酒荷を積みはじめ,船足が速いので小早と称された。これがのちの樽廻船のはじまりである。…

【関船】より

…第3期は江戸時代であり,泰平の世となるや幕命により即刻没収焼却された主力艦安宅船(あたけぷね)とは異なり,依然保有を許された巡洋艦関船は,惣漆(そううるし),金泥(きんでい),金金具(きんかなぐ)などで美々しく装われ,将軍,大名の海上巡幸や参勤交代時の専用御召船,すなわち〈御座船(ござぶね)〉へと,華麗なる変身を遂げる。なお,関船は早船(はやふね)(小型のものは小早(こばや))とも呼ばれる。【小佐田 哲男】。…

※「小早」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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