山口吉右衛門(読み)やまぐちきちえもん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山口吉右衛門」の意味・わかりやすい解説

山口吉右衛門
やまぐちきちえもん
(?―1757)

江戸中期の義民。1756年(宝暦6)に阿波(あわ)徳島藩が実施しようとした葉藍(はあい)取引税と寝床(ねとこ)株制度の撤回を要求して起こった五社宮一揆(ごしゃのみやいっき)(藍玉(あいだま)一揆)の指導者。翌年に吉右衛門と市左衛門父子、常右衛門、京右衛門、長兵衛の5人の義民が磔刑(たっけい)に処せられた。山口家は名西(みょうざい)郡高原村(徳島県石井町)の先規奉公人で、村内では本百姓より上位の身分であるが、村民信望も厚かったものと考えられる。一揆は未然に鎮圧されたが、藩の藍作農民に対する収奪強化路線を変えさせている。

[三好昭一郎]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山口吉右衛門」の解説

山口吉右衛門 やまぐち-きちえもん

?-1757 江戸時代中期の農民。
阿波(あわ)(徳島県)名西郡高原村の人。宝暦6年藍(あい)作税の廃止と藍師株の撤廃をもとめて計画された五社宮一揆(いっき)(藍玉一揆)を指導した。一揆は事前に発覚し,捕らえられて7年3月子の市左衛門らとともに処刑された。

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