鳥居村(読み)とりいむら

日本歴史地名大系 「鳥居村」の解説

鳥居村
とりいむら

[現在地名]京北町大字鳥居

山国やまぐに九ヵ村の一。大堰おおい川上流右岸に位置する山間集落。南西しも北東つじとうの各村。村内を丹波路が通る。地名は村内に式内社山国神社の鳥居があったことによるといわれる。村落の近辺に鳥居古墳群・毘沙門谷びしやもんだに遺跡などがある。

村落の形成は山国神社が宝亀年間(七七〇―七八一)に創建されたとの伝承があることから、少なくとも奈良時代末期と推定される。古代は「和名抄」に記す山国郷に属し、中世は山国庄本郷(山国杣)八ヵ村に含まれる。

村名の初見は宝徳三年(一四五一)八月一〇日付の山国惣庄山地寄進状写(井本昭家文書)で、山国惣庄古老の一人として「鳥居村久保道祐」とある。当村の名主は天文一九年(一五五〇)の郷中名主之事(吹上家文書)に、鳥居河内守村雄・舟越采女介清為・辻隼人正村徳・西山内匠允為清・久保左衛門尉百俊の五名をあげている。


鳥居村
とりいむら

[現在地名]出石町鳥居

長砂ながすな村の北西、出石川の左岸に位置する。同川の対岸東方は宮内みやうち村。昭和八年(一九三三)出石川の改修で同川に架かる鳥居橋を架替えた際、土中から出石神社(一宮神社)のものと考えられる鳥居の基部(直径一メートル)二基が開元通宝・紹元通宝などの多数の古銭とともに出土した。この鳥居が地名の起源と考えられる。正保(一六四四―四八)頃成立の国絵図に村名がみえ、高二七七石余。


鳥居村
とりいむら

[現在地名]貴志川町鳥居

御茶屋御殿おちややごてん山の南麓に位置し、貴志川下流左岸の洪積台地上にある。西はみや村、東は尼寺あまでら村。村の北部を丸田まるた川が蛇行する。「続風土記」は「村中に宮村八幡宮の大鳥居あるを以て村名とす」と記す。中世は貴志庄に属したと思われる。慶長検地高目録は「鳥井村」と記し、村高一六五石余。


鳥居村
とりいむら

[現在地名]社町鳥居

加古川の左岸に位置し、南は田中たなか村。地内中央に社の佐保さほ神社の石造鳥居があり、村名はそれに由来するという。慶長五年(一六〇〇)当村のうち七〇石が姫路池田輝政家臣平井源八郎(二〇〇石取)に与えられた(「播州侍帳」鳥取県立博物館蔵など)


鳥居村
とりいむら

[現在地名]住吉区上住吉うえすみよし二丁目など

大領だいりよう村の西に位置。「住吉松葉大記」によれば、住吉社の東の大鳥居のあったことが村名の由来とされる。当地はもと住吉村の属邑で、「摂津志」に「住吉 町名一属邑十一」とあるうちの一村とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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