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山羊乳 やぎにゅう

食の医学館の解説

やぎにゅう【山羊乳】

《栄養と働き&調理のポイント》


 食品として利用される動物の乳というと、すぐに思い浮かぶのは牛乳でしょう。しかし、世界的にみた場合、人に飲まれている量は、山羊(やぎ)や羊(ひつじ)の乳のほうが多いといわれます。
○栄養成分としての働き
 山羊乳に含まれる栄養素は牛乳に似ていますが、牛乳より濃厚で、たんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミン類が豊富です。
 また、脂肪球の大きさが牛乳より小さいのも特徴。そのため消化がよく、牛乳にくらべて吸収されやすく、そのため、昔は母乳の出の悪いお母さんの子どもには母乳がわりに与えたものです。
 こうしたことから、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などの骨の病気、情緒不安定、不眠症、ホルモンバランスの乱れ、胃潰瘍(いかいよう)、虚弱体質などの改善に、牛乳と同等か、それ以上の効果が期待できます。
 また、山羊乳を語るうえで忘れてならないのは、牛乳アレルギーの人でも飲める場合があるといわれることです。しかし飲む場合は、アレルギー検査で確認したり、ごく少量から始めたりしてください。
 山羊乳の利用法は牛乳とほぼ同じですが、独特のにおいがあるため、人によって好き嫌いが別れます。においが気になる人は、スパイスティーに使うなどのくふうをするといいでしょう。

出典 小学館食の医学館について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

山羊乳
やぎにゅう

ヤギの乳。羊乳とともに古代から利用されていて、考古学的にはカスピ海沿岸のベルト洞窟(どうくつ)から紀元前6000年ころのヤギの骨が発掘されている。ヤギはウシに比べ小食粗食で、かつ山岳地帯でも飼育できるので「貧農の乳牛」といわれ、トルコ、ギリシア、イタリア、フランスの山岳部、イベリア半島などで多く飼育されている。搾乳量の多いヤギはザーネン種、トッゲンブルグ種などで、ザーネン種では日量平均3キログラムの搾乳が可能である。2005年における世界産出量は山羊乳1243万5000トン、羊乳857万トンで、同年の牛乳産出量に比べてそれぞれ2.3%、1.6%であった。山羊乳、羊乳ともに牛乳に比べ脂肪率が高く、直接飲用に供されるほかチーズに加工される。フランス産山羊乳チーズはシェーブルchvresと総称され、ピラミッド形や円盤形など変化に富んだ形につくられる。羊乳チーズの典型的なものは、ギリシアから中近東一帯で広くつくられている、ギリシアのフェタfetaに代表される柔らかい純白で塩辛いチーズが多い。[新沼杏二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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