20世紀日本人名事典 「岩上順一」の解説
岩上 順一
イワガミ ジュンイチ
昭和期の文芸評論家,翻訳家
- 生年
- 明治40(1907)年1月2日
- 没年
- 昭和33(1958)年8月14日
- 出生地
- 山口県吉敷郡小郡町柳井田
- 本名
- 野村 順一
- 学歴〔年〕
- 早稲田大学英文科中退,東京外国語学校ロシア語専修科〔昭和15年〕卒
- 経歴
- 高小卒業後、小郡変電所などに勤務し、苦学しながら昭和4年早大に入学。入学後、共産主義運動に関係し、9年検挙される。後に転向し、日刊工業新聞社、石油共販会社などに勤務する。14年「政治と文学」を発表。その間、東京外語大に入学し、15年卒業。文芸評論や翻訳を多く発表し、16年「文学の饗宴」を刊行。引き続き「文学の主体」「歴史文学論」「横光利一」を刊行。18年治安維持法で検挙され、19年保釈となり、石油配給統制会社に勤務。敗戦直後の20年10月日本共産党に入党し、21年新日本文学会初代書記長となる。また日ソ親善協会理事などに就任して活躍した。戦後の著書に「『戦争と平和』論」「階級芸術論」「変革期の文学」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報