島尻(読み)しまじり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「島尻」の意味・わかりやすい解説

島尻
しまじり

沖縄県沖縄島那覇市以南の地域。北部には新第三紀層からなる丘陵性の地形が卓越し,与座岳(168m)以南には石灰岩でできたケスタ状の地形が発達する。山がちの国頭地域(本島北部)と異なり,耕地率は高く,サトウキビの栽培が盛ん。那覇市に近い北部では野菜や牛乳の産も多く,また那覇市の拡大に伴う住宅や工場の進出が目立つ。第2次世界大戦の沖縄の戦い最後の激戦地で,摩文仁付近にはひめゆりの塔(→ひめゆり部隊),魂魄の塔,健児の塔,島守の塔など慰霊塔が多い。西岸糸満市は昔から有名な舟乗りと漁業の町。東岸の南城市には稲作発祥の地と伝えられる百名の「受水走水(うきんじゅはいんじゅ)」の聖泉や知念斎場御嶽(せいふぁーうたき)があるなど,神話とつながる聖地が多い。糸満市と八重瀬町の南部および海岸部一帯は沖縄戦跡国定公園に属する。

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