ケスタ(読み)けすた(英語表記)cuesta スペイン語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケスタ」の意味・わかりやすい解説

ケスタ
けすた
cuesta スペイン語

陸上侵食作用に対して抵抗性が強い硬岩層と、抵抗性が弱い軟岩層とが交互に重なった層(互層)が、侵食されてできた非対称横断面形の起伏をいう。ケスタは、スペイン語で長い斜面を表し、地形学の用語として用いられるようになった。緩やかに傾くケスタの背面は、侵食に対して抵抗性が強い石灰岩や砂岩チョークなどからなり、その前面下部には泥岩や未固結の砂層などが露出している場合が多い。ケスタの尾根部と谷部の間隔は、硬岩層と軟岩層の重なり方、つまり地質構造によって制約される。典型的なケスタ地形は、パリ盆地からライン川中流部付近に至る間に発達し、交通路や農業などに深い関連がある。

[有井琢磨]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケスタ」の意味・わかりやすい解説

ケスタ
cuesta

硬軟岩石の互層が緩傾斜をなして存在するとき,軟層部は速く浸食され,硬層部が取残される。こうしてできる硬層部の前面に急崖,背後緩斜面を示す,階段をやや傾けたような一連の非対称形の丘陵

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