左道(読み)サトウ

デジタル大辞泉 「左道」の意味・読み・例文・類語

さ‐とう〔‐タウ〕【左道】

《「さどう」とも。昔、中国では右を尊び、左を正しくないとしたところから》
正しくない道。邪道。「左道の論」
不都合であること。不謹慎であること。
葦原国の帝、あまりに御心―にて、十郎姫が姿が、見たきよし宣旨なり」〈伽・梵天国
粗末なこと。少ないこと。
「―ニゴザレドモ…進上イタス」〈日葡

さ‐どう〔‐ダウ〕【左道】

さとう(左道)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「左道」の意味・読み・例文・類語

さ‐とう‥タウ【左道】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さどう」とも。古代中国で、右を尊び左を正しくないこととしたところから )
  2. 正しくない道。不正な道。邪道。また、不都合なこと。真面目でないこと。
    1. [初出の実例]「称左大臣正二位長屋王私学左道、欲上レ国家」(出典続日本紀‐天平元年(729)二月辛未)
    2. 「件の術は左道(サドウ)にして、勇士の行ふべきものならず」(出典:読本・南総里見八犬伝(1814‐42)五)
    3. [その他の文献]〔礼記‐王制〕
  3. わずかですくないこと。粗末であること。謙遜して用いる語。
    1. [初出の実例]「兼又、雖左道候、茶一種」(出典:金沢文庫古文書‐(年月日未詳)(鎌倉末)金沢貞将書状(一・五一二))
    2. 「壬生老僧御庵へ小袖、左道の物也」(出典:教言卿記‐応永一五年(1408)一〇月一七日)

さ‐どう‥ダウ【左道】

  1. 〘 名詞 〙さとう(左道)

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普及版 字通 「左道」の読み・字形・画数・意味

【左道】さどう(だう)

邪道。妖術。〔漢書、郊祀志下〕末年、頗(すこ)ぶる鬼を好む。~上書して祭祀方を言ふ多し。~皆姦人、衆を惑はし、左を挾(さしはさ)み、詐僞を懷(いだ)き、以て世を欺罔(ぎまう)す。

字通「左」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の左道の言及

【淫祠邪教】より

…国家権力ないし支配者によって,反体制的な傾向を持つとみなされた民間信仰,宗教のこと。淫祠はまた,淫祀ともいい,異端,左道と類似した言い方である。中国では,秦・漢時代において国家によって民間の祭祀が整理され,祭天の儀礼を頂点とする祭祀の典礼が整備された。…

※「左道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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