巻紙(読み)マキガミ

デジタル大辞泉 「巻紙」の意味・読み・例文・類語

まき‐がみ【巻(き)紙】

半切紙を横に長く継ぎ合わせて巻いたもの。毛筆で手紙を書くのに使う。
物を巻いて包むのに使う紙。「タバコ巻き紙

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精選版 日本国語大辞典 「巻紙」の意味・読み・例文・類語

まき‐がみ【巻紙】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 切紙(はんきりがみ)を横に長く継ぎ合わせて巻いたもの。また、それを切ったもの。多く手紙用として用いる。
    1. [初出の実例]「かき口説くたびに巻紙痩が付き」(出典:雑俳・あづまからげ(1755))
  3. 物を巻いて包むのに使う紙。
    1. [初出の実例]「巻紙に印刷してある文字をしらべて見ると」(出典:鷹(1953)〈石川淳〉四)
  4. 鰹節(かつおぶし)をいう、盗人仲間の隠語。〔日本隠語集(1892)〕
    1. [初出の実例]「『落し話を見たやうだなア。松魚節(かつぶし)は』『艷書とも巻書(マキガミ)とも云ふ。鮹の事が天蓋』」(出典落語蒟蒻問答(1894)〈四代目橘家円喬〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「巻紙」の意味・わかりやすい解説

巻紙 (まきがみ)

全紙の和紙を横半截した切紙を幾枚も横につないで巻いたもので,近世・近代に書状の料紙として広く用いられた。室町時代の末,近世初頭に折紙折目で半截して横にはりついだ切続紙(きりつぎがみ)が現れ,これが近世に入って発展し巻紙となった。巻紙を用いて書状をしたためる場合,巻紙を巻いたまま左手にもち,宙に浮かせて順次紙をくりのべつつ右手の筆を走らせるのが,正式の書き方である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「巻紙」の意味・わかりやすい解説

巻紙
まきがみ

半切り紙を横に長く継ぎ合わせて巻いた書簡用の紙。江戸時代、書信用には杉原紙を横に二つ切りにした半切り紙を用いたが、長い手紙の場合にはこれを糊(のり)で継いだ巻紙に書いた。とくに江戸中期からは、横長の紙を漉(す)いて継ぎ合わせたものを巻紙として市販するようにもなった。本来手漉き楮紙(こうぞがみ)であったが、現在木材パルプ原料とした機械漉きのものも安く売られている。

[町田誠之]

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世界大百科事典(旧版)内の巻紙の言及

【手紙】より

…近世初期には,本文の補遺,要約や,相手の安寧を祈る尚々書(なおなおがき)(追而書(おつてがき))は袖に書かれることが定型化し,書かれない場合には袖の空白に,〈已上(いじよう)〉〈以上〉などの文言を追記して,謀書を防止することも形式化している。巻紙が普通に用いられるようになってからは,追而書は宛名の後に追記されることは近代と同様である。遠距離,無沙汰の後には,相手の安否動静を尋ね,無音を謝し,なつかしさを述べることが多い。…

※「巻紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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