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天蓋 てんがい baldachin; ciborium

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

天蓋
てんがい
baldachin; ciborium

仏教やキリスト教で仏像や祭壇などの上にかざす傘。仏教では,もと貴人にさしかけた日傘が仏像の荘厳となったもので,金属製,木製で天井からつるす。僧の歩行にも長柄の天蓋を用いる。キリスト教では,大きな聖堂の祭壇の上,祭式用の高位聖職者の座席の上,特定の人の墓上などに天井からつるしたり,柱で支えたりして用いる。

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デジタル大辞泉の解説

てん‐がい【天蓋】

仏具の一。仏像などの上にかざす笠状の装飾物。周囲に瓔珞(ようらく)などの飾りを垂らす。
虚無僧(こむそう)がかぶる、藺草(いぐさ)などで作った深編み笠。
貴人の寝台や玉座、祭壇・司祭座などの上方に設ける織物のおおい。

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百科事典マイペディアの解説

天蓋【てんがい】

きぬがさ,懸蓋(けんがい)とも。仏や菩薩などの像の上に懸垂される笠状の荘厳(しょうごん)具。もとインドで戸外の説法の際に用いた日よけの傘(かさ)から転化したもので,種々の形がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

てんがい【天蓋】

仏像の頭上にかざす蓋(きぬがさ)をいう。天空にあり,しかもつねに仏の頭上にあるところから華蓋,宝蓋,懸蓋などとも呼ばれる。これは仏の威信の象徴であり,仏の徳を讃嘆するものであり,後に仏を供養し,荘厳(しようごん)するものとなった。天蓋の歴史は古く,釈迦在世の時代までさかのぼると考えられる。当時インドの王侯や貴族は炎暑や熱風,あるいは塵埃を避けるため,従者や下僕に傘蓋(さんがい)をかざさせたもので,貴人の外出には必需の品であった。

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大辞林 第三版の解説

てんがい【天蓋】

仏具の一。仏像などの上方にかざしたり、つったりする絹張りの笠。瓔珞ようらく・宝珠・幡ばんで飾られる。棺に差しかけるものもいう。
教会の祭壇などの上におかれる覆い。
虚無僧の用いる深編み笠。

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家とインテリアの用語がわかる辞典の解説

てんがい【天蓋】

ベッドの上部に取り付ける布製のおおい。ベッドの四隅に立てた柱で支えたり、天井から吊ったりするものが一般的。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

天蓋
てんがい

天に懸(か)けられた蓋(がい)の意で、仏像や導師の上にかざす装飾的な覆いをいう。古来からインドでは強い日射しを避けるため、貴人の外出にはつねに傘蓋(さんがい)で覆う習慣があり、これが仏教の荘厳具(しょうごんぐ)として用いられるに至ったとみられる。初期経文には、宝華(ほうげ)や光明(こうみょう)が化して蓋となると説き、仏の白毫(びゃくごう)が七宝の大蓋と化して天を覆ったと記されている。蓮華(れんげ)をかたどる天蓋は古いものに多く、インドの無仏像時代から中国に至るまで数多く存在するが、のちに、しだいに方形、六角、八角、円形などで表現されてくる。その多くは蓋の周辺に宝散を垂れ、片隅に幡(ばん)を懸け、華、宝綱、宝珠、瓔珞(ようらく)、鈴などで飾ったものや、天人、霊鳥などを彫刻したものがある。日本に現存する有名なものに平等院鳳凰堂(ほうおうどう)の阿弥陀仏(あみだぶつ)天蓋、東寺(教王護国寺)の不動明王像の蓮弁(れんべん)木造天蓋(ともに国宝)、法隆寺金堂の釈迦(しゃか)三尊や阿弥陀仏の天蓋などがある。後世、寺院の礼盤(らいばん)の天井にもこれを懸け、阿闍梨(あじゃり)を覆う人天蓋と、諸尊を覆う仏天蓋とを区別している。[江口正尊]
 西洋美術にみられる天蓋はラテン語のキボリウムciborium、イタリア語のバルダッキーノbaldacchinoの訳語で、一般に4本の柱で支えられた屋根状のものをさす。キボリウムの語源がギリシア語で「エジプトの睡蓮(すいれん)の実」を意味するキボリオンにあり、一方バルダッキーノの語源はバグダード産の錦(にしき)や金襴(きんらん)の意であるように、古代においては宇宙の象徴として絶対者たる神や王の玉座を飾るものであり、それにふさわしい装飾が施された。キリスト教においてもその伝統を受け継ぎ、祭壇のみならず、聖堂内の説教壇や玉座、司教座、彫像などの覆いも天蓋とよばれ、素材も高価な木材、大理石、金属、布と多岐にわたり、彫刻や工芸で飾られた重厚なものが多い。そのもっとも豪華な作例は、17世紀につくられたベルニーニ設計のサン・ピエトロ大聖堂の天蓋である。
 また広義には建造物のファサードなどにみられる庇(ひさし)や天蓋付きベッドなど、世俗の家具に用いられるものも含まれる。英語のカノピーcanopyも天蓋と訳されるが、バルダッキーノよりもっと意味が広く、簡易なものや仮設的なものにも用いる。[名取四郎]

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世界大百科事典内の天蓋の言及

【仏像】より

…それも上記のように場合によって異なるなど,さまざまな展開を示した。
[荘厳具]
 こうした仏教の諸尊像は,身につける物のほかに,像の背後にあってそれを飾る光背,像の下にあってこれを保持する台座,像の上に懸けられる天蓋などの荘厳具(しようごんぐ)を持つのが普通である。光背は,仏像発生の初期には,仏の発する光明を具象化する意味で,仏像の頭部の背後に付せられた円形のみであったが,だんだん複雑,華麗な形式をつくり出すようになり,日本の場合,多く頭部,体部それぞれの背後に円相が当てられ(二重円相),その基部に光脚,周縁に火焰や唐草などの文様帯をあしらった二重円相光が基本とされるようになった。…

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