市振(読み)いちぶり

精選版 日本国語大辞典 「市振」の意味・読み・例文・類語

いちぶり【市振】

  1. 新潟県南部、青海(おうみ)町の地名江戸時代越中越後との国境の地として関所が置かれた。
    1. [初出の実例]「越後の地に歩行(あゆみ)を改て、越中の国一ぶりの関に到る」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)越後路)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「市振」の意味・わかりやすい解説

市振
いちぶり

新潟県南西部,糸魚川市青海町西部の集落。旧村域。 1954年青海町に編入。日本海に臨む北陸街道難所親不知の西にある。寛永年間 (1624~44) の初め頃幕命で高田藩が市振関所を設け,海の遠見番所を兼ねた。県境の玉ノ木とともに国道8号線に街村をなす。松尾芭蕉の「一つ家に遊女も寝たり萩と月」の句碑がある。一部地域は親不知子不知県立自然公園に属する。

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世界大百科事典(旧版)内の市振の言及

【青海[町]】より

…北西部の権現山近くに洞窟があり,竪穴の青海千里洞は日本最深(450m)。西端の市振は近世に北陸街道の関所がおかれ,芭蕉の〈一家に遊女もねたり萩と月〉の句でも知られる。上路(あげろ)は謡曲《山姥》の舞台と伝えられる。…

【北浦[町]】より

…北は大分県に接し,南東は日向灘に面する。主な集落は古江,市振,宮野浦,三川内で,近世を通じて延岡藩に属した。町域の大半は山地で占められ,山間部の中央を占める三川内地区には北川の支流小川が西流し,米作を中心にタバコ,シイタケ栽培など農林業が営まれる。…

※「市振」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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