市村宇左衛門(読み)いちむら うざえもん

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「市村宇左衛門」の解説

市村宇左衛門(3代) いちむら-うざえもん

1628-1686 江戸時代前期の歌舞伎役者
寛永5年生まれ。江戸の初代村山又三郎入門,その村山座に女方として出演。寛文年間村山座2代の縁者から同座の興行権をゆずりうけ市村座改称,養子の初代市村竹之丞を座元にたてて興行した。村山座時代の代数をくわえて3代,市村宇左衛門名義では初代となる。貞享(じょうきょう)3年7月24日死去。59歳。上野(こうずけ)(群馬県)出身。前姓は一村

市村宇左衛門(5代) いちむら-うざえもん

1654-1691 江戸時代前期の歌舞伎役者,座元。
承応(じょうおう)3年生まれ。4代市村宇左衛門の弟。延宝7年先代の兄の出家により,5代を襲名(名義2代目)。江戸市村座の座元2代もついだ。元禄(げんろく)4年8月8日死去。38歳。初名は市村竹松。

市村宇左衛門(7代) いちむら-うざえもん

1681-1698 江戸時代前期の歌舞伎座元。
天和(てんな)元年生まれ。6代市村宇左衛門の甥(おい)。6代が早世したため5代宇左衛門の養子となり,江戸市村座の座元4代をついだ。元禄(げんろく)11年4月21日死去。18歳。初名は市村長太郎。

市村宇左衛門(6代) いちむら-うざえもん

1679-1685 江戸時代前期の歌舞伎座元。
延宝7年生まれ。5代市村宇左衛門の子。貞享(じょうきょう)元年,父の引退により6歳で江戸市村座の座元3代をつぐ。幼年のため父が後見したが,貞享2年11月24日死去。7歳。初名は市村竹松。

市村宇左衛門(初代) いちむら-うざえもん

村山又三郎(むらやま-またさぶろう)(初代)

市村宇左衛門(4代) いちむら-うざえもん

市村竹之丞(いちむら-たけのじょう)(初代)

市村宇左衛門(2代) いちむら-うざえもん

村田九郎右衛門(むらた-くろうえもん)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の市村宇左衛門の言及

【市村座】より

江戸三座の一つ。創立経過は明確にならない部分が多いが,1634年(寛永11)に村山又三郎が創立した村山座の興行権を,3代市村宇左衛門が譲り受け,67年(寛文7)頃に創設されたという。続き狂言を最初に上演した(《市村座由緒書》享保10年書上)という伝説をもち,大道具や絵看板なども始めたともいわれ,野郎歌舞伎時代に目ざましい発展をしたと見られる。…

【市村竹之丞】より

…歌舞伎俳優,市村座座元。初世(1654?‐1718∥承応3?‐享保3)は3代市村宇左衛門の養子。寛文・延宝(1661‐81)頃が活躍期で,《市村座由緒書》(享保10年書上)によれば,1664年(寛文4)に玉川主膳と相座元で三番続きの狂言を上演したというが,65,66年頃大坂へ行き,その後江戸に戻って67年頃座元になったものと推定される。…

※「市村宇左衛門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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