布部村(読み)ふべむら

日本歴史地名大系 「布部村」の解説

布部村
ふべむら

[現在地名]広瀬町布部

菅沢すげさわ村の南、宇波うなみ村の西に位置する山村。飯梨いいなし(布部川)が流れ、同川と支流の谷に沿って川路かわじ乙見おとみ平野ひらの樋の廻ひのさこ川原かわはら横手よこてうしろいち本町ほんまち中曾根なかそね西の谷にしのたに飯田いいだ根尾川原ねおがはら上り原あがりはら金原きんばら・下布部などの集落が点在する。戦国期の史料や軍記物には富部・日部・日辺・比辺とも書かれ、「ひへ」と記すものもある(森脇覚書)中曾根山林に中曾根第一号墳(円墳)・中曾根第二号横穴墓・中曾根第三号横穴墓があり、人骨・耳環・勾玉・須恵器などが出土した。上り原には興福こうふく寺跡があり、藤原期の仏像が残存している。古くから野ダタラが行われていたとみられ、現在安来市の和鋼博物館に蔵される野鈿は築上峠つきあげだわにあったものである。

天文七年(一五三八)八月一五日の二所大明神(現布弁神社)棟札銘(島根県史神社資料)大檀那として宇山久秀がみえる。宇山氏は同九年八月一九日の竹生島造営奉加帳(竹生島文書)尼子氏直臣である富田衆として宇山大蔵丞と弥次郎がみえ、とくに有力な地位を占めていた。


布部村
ぬのべむら

[現在地名]朝日村布部

三面みおもて川の中流右岸に位置し、東方で滝矢たきや川が三面川に注ぐ。南は三面川を隔て荒屋あらや村・中新保なかしんぼ村に対する。上通かみどおり下通しもどおり中村なかむら宮田みやた道端みつばた野城のしろ松の下まつのしたの集落からなる。古くは滝矢川が村の北方を流れていたこともある。文禄(一五九二―九六)頃の瀬波郡絵図に「布部村 上 本納合百□□五斗  縄ノ高合三百 」とある。近世は村上藩領。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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