常蓮寺(読み)じようれんじ

日本歴史地名大系 「常蓮寺」の解説

常蓮寺
じようれんじ

[現在地名]神岡町吉田

吉田よしだの中央部高台に南面し、観音かんのん山の尾根続き、寺林てらばやしと吉田を結ぶ峠の登り口に位置する。龍洞山と号し、浄土真宗本願寺派。本尊阿弥陀如来。大野郡白川しらかわ照蓮しようれん寺とともに飛騨を代表する浄土真宗古寺。寺伝では前身寺院は天台宗に属していたという。元禄七年(一六九四)の境内地除地方願(当寺蔵)では「本尊阿弥陀如来、聖徳太子御自作像」「当寺元祖応永五年住持了照」とある。「飛騨国中案内」では、太子堂ともいうとあり、開基は応永五年(一三九八)とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「常蓮寺」の意味・わかりやすい解説

常蓮寺
じょうれんじ

岐阜県飛騨(ひだ)市神岡(かみおか)町吉田にある浄土真宗本願寺派の寺。龍洞山(りゅうとうざん)と号する。往古は竹林山華蔵寺(けぞうじ)と号し、天台宗に属した。建永(けんえい)年中(1206~07)には聖徳太子像が奉安されたため太子堂とも称した。のち荒廃していたのを親鸞(しんらん)の弟子嘉念坊善俊(かねんぼうぜんしゅん)によって復興。その後宗派を改め、寺号も聞名(もんみょう)寺と改まったが、1626年(寛永3)9世了玄のとき、現寺号となった。飛騨国内最初の真宗道場という。寺宝に釈迦(しゃか)三尊画像(藤原時代、国重要文化財)、鐘鼓(しょうこ)(鎌倉時代、国重要文化財)などがある。

[森 章司]

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