千葉市沿岸部(美浜(みはま)区中瀬)にある常設大型展示・会議場。日本初の大型コンベンション施設として1989年(平成1)に開業した。メッセはドイツ語で見本市の意味。約22ヘクタールの敷地に国際展示場1~8ホール(展示面積5.4ヘクタール)、国際展示場9~11ホール(同1.8ヘクタール)、幕張イベントホール(最大収容9000人)、国際会議場(22の会議室)の四つの建物からなる。延床面積は約16ヘクタール、総展示面積は約7.5ヘクタール。総工費(含む増設分)は558億円。2020年(令和2)7月時点で東京国際展示場(東京ビッグサイト)に次ぐ国内2番目の規模のコンベンション施設である。東京湾沿岸開発の一環として1960年代から1970年代にかけて東京湾横断道路(東京湾アクアライン)、横浜市臨海部開発「横浜みなとみらい21」構想などと並んで計画が浮上。1986年(昭和61)に運営会社の日本コンベンションセンター(2005年に幕張メッセへ社名変更)が発足し、1989年に開業した。運営会社は千葉県、千葉市、日本政策投資銀行、新日鉄住金(現、日本製鉄)、東京電力(現在は分社化により東京電力エナジーパートナーが参加)、東京瓦斯(ガス)など21団体・76社が出資する第三セクターで、資本金は40億円。IT(情報技術)・家電の国際展示会「CEATEC(シーテック)」(旧、CEATEC JAPAN)、ゲーム見本市「東京ゲームショウ」などを開催し、2021年開催のオリンピック・パラリンピック東京大会ではフェンシング、テコンドー、レスリングなどの競技会場となった。開業時はバブル経済期で、開業後1年2か月で1000万人来場を達成するなど経済活性化に一定の役割を果たした。しかし東京国際展示場など競合施設が相次いで建設され、2011年には「東京モーターショー」(現、ジャパンモビリティショー)が東京国際展示場へ会場を移すなどしたため稼働率が低下している。累計来場者数は1億5444万人(2016年3月末時点)、年間来場者は591万人(2015年度)、稼働率は約47%(2014年度)。
[矢野 武 2024年4月17日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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