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条里制 じょうりせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

条里制
じょうりせい

日本の古代土地区画制度。耕地を6町 (約 654m) 間隔で縦,横に区切り,この1区画をまたは坊といった。さらにこれを1町 (約 109m) 間隔で区切って,その1区画をという。すなわち1里を 36坪とした。地割は,1郡または数郡を単位として,里を東西南北に並べ,北から1,2条,東から1里,2里と数えた。坪は溝やあぜによって区画され,里の一隅から1坪,2坪と数え,耕地は何条何里何坪と示された。この制度は全国各地に及んだものと思われるが,特に畿内瀬戸内,北九州,近江,美濃,越前などで発達していたことが知られる。起源については,大化以前と,以後の説があるが明確でない。設定理由は大化改新に始まる班田収授法を円滑にすることにあり,8世紀頃には今日知られている範囲に施行されたものと思われる。条里の呼び方は班田制が崩壊したのちも長く残り,戦国時代まで広く用いられたが,太閤検地によってすたれた。しかし地名として今日まで残っているところもあり,遺構も各地でみられる。

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デジタル大辞泉の解説

じょうり‐せい〔デウリ‐〕【条里制】

古代の土地区画法。6町(約654メートル)の幅で碁盤目状に区画し、東西を条、南北の列を里とした。また、6町四方の一区画を里とよび、里はさらに1町間隔で縦横に区切って36の坪とし、何国何郡何条何里何坪とよんで土地の位置を表した。

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百科事典マイペディアの解説

条里制【じょうりせい】

日本古代の耕地区画法。おおむね郡ごとに,耕地を6町(約650m)間隔で縦横に区切り,6町間隔の横(東西)の列を条,6町間隔の縦(南北)の列を里と呼び,1里内をさらに1町間隔で縦横に区切って36等分し,その1町平方の1区画を坪(つぼ)と呼んだ。
→関連項目安食荘近江盆地九郷用水条坊制条里集落奈良盆地美里[町]

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防府市歴史用語集の解説

条里制

 1辺1町[ちょう](約109m)の四角形に区切ったした土地をもとにした土地区画です。最大6町の四角形の範囲で、条[じょう]と里[さと]の番号をつけ、その中で1町ごとに坪[つぼ]として番号をつけていました。「○条○里○の坪」というように、土地の住所をしめしていました。

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世界大百科事典 第2版の解説

じょうりせい【条里制】

古代日本に行われた耕地の地割の制。6町=60歩×6=約650m間隔に土地を縦横の道路や畦畔(けいはん)で方格に区画し,横(東西)の列を条(または図),縦(南北)の列を里とし,それぞれ起点から順次数字を冠して何条・何里と呼ぶ。またこのようにしてできた6町平方の区画(これをまた固有名詞を付して何々里という)の各辺を1町ごとに6等分し,1里内を方1町の地積をもつ36の坪に分かち,それらを(1)千鳥式(連続式),または(2)並行式の数え方に従って,1坪から36坪まで呼称する(図1)。

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大辞林 第三版の解説

じょうりせい【条里制】

古代の土地区画制度。六町(約654メートル)四方の区画を里と呼び、里を東西に連ねたものを条と呼ぶ。里をさらに一町四方に区画したものを坪と呼ぶ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

条里制
じょうりせい

古代日本の律令(りつりょう)体制下における土地区画制度。方格の耕地区画としての条里地割と、条・里・坪(つぼ)による土地の表示方式としての条里地番法を組み合わせて耕地を国家的に支配・管理し、班田制度を補完する役割を果たした。条里地割は、『日本書紀』『拾芥抄(しゅうがいしょう)』やその他の文献史料によると、古代から中世にかけて阡陌(せんぱく)とよばれている。[服部昌之]

耕地区画

その耕地区画は、方1町(1辺が60歩(ぶ)、約109メートル)の坪区画が基本で、坪(田積1町=10段)内部の地割は幅12歩・長さ30歩の半折(はおり)型と、幅6歩・長さ60歩の長地(ながじ)型に分けられる。いずれも田積は1段である。坪の上位の単位は方6町の里区画で、1坪から36坪の通し番号をつけるが、その配列(坪並(つぼなみ)という)には各行の数字順を折り返して続ける連続(千鳥)式と、それが同一方向となる平(並)行式とがある。また里の位置は、郡を単位として数字番号をつけた条と里を縦横の座標軸として組み合わせて五条六里九坪のように示すが、条と里のかわりに図・里や条・坊を用いたり、真野条七成相里のごとく地名による場合もある。[服部昌之]

成立過程

条里制の成立過程はかならずしも明確ではない。しかし6世紀末から7世紀初頭に条里型地割が局地的に出現した可能性が高く、さらに7世紀後半から8世紀中期にかけて、全国の平野において既成の耕地を再編し、新たな土地開発を進めて施行されたものと推定される。班田収授のための条里地割による耕地の規格化は、水利施設や農道の整備を伴う大規模な土木事業であり、農業生産の発展と安定に大きく寄与して農業史の画期となった。耕地の所在は小字(こあざ)地名と四至(しいし)で表示されていたが、717年(養老1)ころには山背国(やましろのくに)久世(くぜ)郡路里一七坪のように地名による里と坪地番で示され、さらに8世紀中期には大倭国(やまとのくに)広湍(ひろせ)郡二〇条五里六坊(坪)のごとく、郡ごとに数字による条と里の地番法が導入される。この新たな条里地番法は、墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいほう)という土地政策に応じて耕地の位置と面積・範囲を厳密に掌握するための統一的な措置であり、班田図・校田図・田籍・青苗簿(せいびょうぼ)など律令国家の基礎となる土地関係諸記録における登録様式は、よりいっそう整備されることとなる。したがって8世紀中期は土地制度としての条里制の完成期であった。現存する班田図や開田図、墾田図は条里に従って図示されており、また条里坪付(つぼつけ)を記した荘園(しょうえん)関係の史料も数多く伝来している。条里地割、条里地番法および条里制は、都京・国府などの都市、駅路を主とする幹線交通路、地方行政組織としての国郡制の領域と境界などと緊密な関連性を保ちながら計画され、施行されたことが注目されている。[服部昌之]

変容と崩壊

しかし10世紀から11世紀初頭になると、国司や国衙(こくが)によって条里地番が拡張・修正されて条里地割以外の土地をも広く包括することとなり、ついで11世紀後半から12世紀前半では、条里地番は国衙、荘園領主、在地領主などによって恣意(しい)的に変更されるとともに、新しく開発された耕地や荒廃した耕地では条里地番がとられなくなる傾向が進む。さらに12世紀後半から14世紀前半の時期では、それが荘園や所領単位ごとに再編されるため形骸(けいがい)化して条里地割と分離し、その後はほとんどの地方で姿を消すのである。条里制の変容と崩壊の時期である。[服部昌之]

条里遺構

条里地割は現代にその遺構を伝え、奈良盆地、京都盆地、大阪平野を中心に、瀬戸内海沿岸から北九州、あるいは近江(おうみ)盆地、伊勢(いせ)平野、濃尾(のうび)平野、福井平野などに広く分布し、そこには三条、七里、五坪などの条里地名が多数遺存している。また東北地方の秋田平野、横手盆地、南九州の国分(こくぶ)平野、川内川(せんだいがわ)下流平野、あるいは佐渡(さど)、隠岐(おき)、小豆島(しょうどしま)などの離島や、高山盆地、阿蘇(あそ)火口原などの山間盆地においても、その遺構が確認されている。古代の耕地区画の大部分が荒廃と再開発を繰り返して改変されながらも現代まで維持されてきたことを示しているが、最近の都市化と圃場(ほじょう)整備によって急速に遺構が消滅しつつある。また一方、発掘調査が進んで、地下に埋没した条里地割の水田址(し)が数多く明らかにされて注目されているものもある。[服部昌之]
『落合重信著『条里制』(1967・吉川弘文館)』

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世界大百科事典内の条里制の言及

【坪付】より

…〈つぼづけ〉とも読む。〈坪〉とは条里制における区画・面積の単位であるが,田地の所在地と面積をこの条里の坪によって帳簿上に記載すること,およびその帳簿そのものを〈坪付〉という。律令国家は,租税賦課のために,損田や不堪佃田(ふかんでんでん)の数を調査記載した帳簿=坪付帳を国司に提出させた。…

※「条里制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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