平等性智(読み)びょうどうしょうち

精選版 日本国語大辞典 「平等性智」の意味・読み・例文・類語

びょうどう‐しょうちビャウドウシャウチ【平等性智】

  1. 〘 名詞 〙 仏語
  2. 唯識(ゆいしき)宗でたてる四智一つ。未那識(まなしき)から転じて得られる智慧。彼此の差別にとらわれず、平等であると悟る智。
    1. [初出の実例]「身心安居、平等性智、涅槃自性無繋属故」(出典正法眼蔵(1231‐53)安居)
  3. 密教で説く大日如来五智の一つ。事物本来平等であると悟る智慧。五仏のうちの開敷華王仏に配当される。
    1. [初出の実例]「印額応当知平等性智速獲灌頂地福聚荘厳身」(出典:即身成仏義(823‐824頃))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平等性智」の意味・わかりやすい解説

平等性智
びょうどうしょうち
samatājñāna

すべてあるべきもの (一切諸法) が差別なく平等であるとする智で,四智の一つに数えられる。これは大慈悲心を起すもとで,有漏の第七識を転じて得る無漏智であるという。また大日如来の智を5種に分けた五智の一つとして,諸法の平等を具現する智をいうこともある。

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