平面上に直交座標系を設け,原点Oを通りx軸の正の方向と∠αをなす半直線上に点Pをとる。Pの座標が(a,b)で線分OPの長さがrならば,6個の比b/r,a/r,b/a,a/b,r/a,r/bはPのとり方によらずαによって定まる。それで,これらをそれぞれsinα,cosα,tanα,cotα,secα,cosecαで表して,∠αのサイン(正弦),コサイン(余弦),タンジェント(正接),コタンジェント(余接),セカント(正割),コセカント(余割)と呼び,総称して三角比,またはαの関数と考えて三角関数と呼ぶ。平面三角法とは三角関数に関する諸公式,三角関数を用いて書き表される三角形の辺と角に関する諸公式およびそれらの測量などへの応用を学ぶ学科である。
tanα=sinα/cosα
cotα=cosα/sinα
secα=1/cosα
cosecα=1/sinα
であるから,sinα,cosαが本質的であるが,これらに関する公式の中で基本的なものはsin (-α)=-sinα,cos (-α)=cosα,sin2α+cos2α=1および加法定理と呼ばれる公式,
sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ
cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ
である。△ABCの内角A,B,Cの対辺の長さをそれぞれa,b,cとし,外接円の半径をRとするとき,公式,
が成り立つ。(1)は正弦定理,(2)は第1余弦定理,(3)は第2余弦定理と呼ばれる。これらの基本的公式より各種の公式が導かれるが,それらの中に,三角形の面積Sに関するヘロンの公式,や,三角形の角をその3辺の長さから計算により求めるのに便利な,などの公式がある。ここにsは(a+b+c)/2を表す。三角形の3内角と3辺のうちの少なくとも一つの辺を含む三つを与えて,他の三つを求めることを三角形を解くというが,3内角の和は180°であるから,この問題は上記の諸公式により解決できる。地図などの作成に用いられる三角測量はこの応用である。
執筆者:中岡 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…このような関係式を基本として,三角関数を応用することによって図形を研究するのが三角法である。対象が平面上の図形の場合には平面三角法,対象が球面上の図形の場合には球面三角法と呼ばれている。三角形の3要素を与えて残りの3要素を求めることを三角形を解くと呼ぶが,これは三角法における基本的問題である。…
※「平面三角法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新