広背筋(読み)こうはいきん(英語表記)latissimus dorsi muscle

  • こうはいきん クヮウハイ‥
  • こうはいきん〔クワウハイ〕

大辞林 第三版の解説

背部下半分と上腕骨上部とを結ぶ左右一対の広い筋肉。上腕を内転し、また後内方に引く働きをする。闊背かつばい筋。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

腰部と胸部の外側から後下半部にかけて広がる三角形状の板状筋で、古い解剖学名で闊背筋(かっぱいきん)とよんだ。底辺部にあたる部分は下位6個の胸椎棘(きょうついきょく)状突起と全腰椎の棘状突起、および腸骨稜(ちょうこつりょう)の後内側部につき(起始部)、頂点にあたる部分は腋窩(えきか)を通り抜けて上腕骨内側部の小結節につく(停止部)。
 広背筋は背部の浅層筋とされるが、本来は上肢の固有筋である。この筋は上腕を内転させ、後内方に引く作用のほか、上腕を多少内旋させる作用ももつ。背中に手を回すとき、肛門(こうもん)部に手をやるとき、また水泳のクロールで水をかくときにこの筋が働く。寛骨(かんこつ)の一部を構成する腸骨のすぐ上方で、広背筋の外側下縁および外腹斜筋の後縁によって囲まれてできる三角形状の間隙(かんげき)を腰三角とよぶが、ここは後腹壁の抵抗の弱い部位であるため、腰ヘルニアをおこすことがある。また、広背筋の上縁、肩甲骨の内側縁および僧帽筋の外側縁に囲まれてできる三角形状の間隙は聴診三角とよび、上腕をあげると第6肋骨(ろっこつ)と第7肋骨との肋間隙が皮下組織のすぐ下側になるため、内臓器官の状態の聴診に用いられる。[嶋井和世]

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