座法(読み)ザホウ

デジタル大辞泉 「座法」の意味・読み・例文・類語

ざ‐ほう〔‐ホフ〕【座法/×坐法】

座り方法式。仏・菩薩ぼさつ仏徒などの結跏趺坐けっかふざ長跪ちょうきなどがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「座法」の意味・わかりやすい解説

座法 (ざほう)

のメンバーである座衆が,座の維持を目的に自主的に定めた規約。座中法度,衆中式目などともいう。座は基本的には自律的集団としての性格もち,座の運営は座衆の自治,平等を原則としたため,このような規約を必要とし,座法の文書様式はこの時代の他の自律集団の制定した法と同じく,定書(さだめがき)の様式をとるものが多い。中世にはその目的に応じて多種多様の座が結成されたが,神事・仏事奉仕を目的とする宮座・寺座,中世後期奉仕集団から営業団体へその性格を転化させた商工業座・芸能座に分けられる。宮座などの座そのものの存在は古く,その座としての規約が慣習的に定められていたことは確認されるが,今日成文化されたものとして伝来する座法は鎌倉時代末期以降のものである。内容は,祭祀奉仕の結番,頭役の義務,座公事などの座衆の負担義務,座への加入の資格・負担,座席順序などがその主たるものである。これらの座法は,座が惣結合中核となったのに応じて,近江国今堀日吉神社の宮座法のように村法に発展していくものがあった。また近江国多賀神社の在地領主主体とする祭祀集団である郡座が,のちに国人一揆結合の母体となることなどから,これらの座の規約は一揆契状の作成にも影響を与えたことが想定される。商工業座の座法が成文化されるのは,これらの座が自律的な営業団体の性格を強め,その特権的ありかたを確保する必要にせまられた戦国時代以降である。その内容は,座の営業方針,営業区域,営業方法,座外商人の営業に対する処置,座衆の営業上順守すべき事項,座衆への利益配分など,営業に関する規定がその主たるものであるが,座としての意志決定の方法など,その運営上の規定を定めているものもある。
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世界大百科事典(旧版)内の座法の言及

【中世法】より

…これが寺院法であって,その数量は膨大なものがあり,その内容は,僧団成員の純然たる戒律のほかに,僧団の組織規定,僧団と外部の接触・交渉や成員の物質生活面に関する規制,寺院経済に関する規制等,多岐にわたっている。 以上のほかに,商品の生産・流通・販売等に特権をもつ座(ざ),供御人(くごにん)等の座法,演技上の特権や技芸伝授の秘匿性を主内容とする諸芸能の座法,また主として16世紀以降の畿内および周辺地域に見られる地縁共同体の村掟・町掟等がある。
【中世法の特質】
 古代国家の解体のあとに現れた王朝国家においては,中央貴族の各氏が,中央官庁内の個別特定の官司を家業として請負的に運営するという,特徴的な政治機構運営方式に象徴されるように,最も価値ある体制概念は,第1に家業であり,第2に家業連合体としての職能団体であった。…

※「座法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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