廓然(読み)カクゼン

デジタル大辞泉 「廓然」の意味・読み・例文・類語

かく‐ぜん〔クワク‐〕【×廓然】

[ト・タル][文][形動タリ]心が晴れわたり、わだかまりのないさま。かくねん。
「貴いいにしえ聖者の如く―として大悟しなければならぬ」〈谷崎・神童〉

かく‐ねん〔クワク‐〕【×廓然】

[ト・タル][文][形動タリ]かくぜん(廓然)

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精選版 日本国語大辞典 「廓然」の意味・読み・例文・類語

かく‐ねんクヮク‥【廓然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 ( 「ねん」は「然」の呉音 ) =かくぜん(廓然)
    1. [初出の実例]「念到無念時。本性廓然悟」(出典:明極楚俊遺稿(14C中か)示念仏王道人)
    2. 「Quacunen(クヮクネン)。または、クヮクゼン」(出典日葡辞書(1603‐04))
    3. 「廓然(クヮクネン)として天に際涯(はて)無く」(出典:二日物語(1892‐1901)〈幸田露伴〉此一日)
    4. [その他の文献]〔観無量寿経〕

かく‐ぜんクヮク‥【廓然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 心が大空のように晴れて、わだかまりがなく広いさま。悟りの形容などに用いる。また、推し広めたさま。かくねん。〔饅頭屋本節用集(室町末)〕
    1. [初出の実例]「必ず須く胸中廓然として一物無かるべし」(出典:随筆・絵事鄙言(1799))
    2. [その他の文献]〔礼記‐檀弓上〕

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普及版 字通 「廓然」の読み・字形・画数・意味

【廓然】かく(くわく)ぜん

心の広くむなしいさま。〔説苑君道人君は、~廓然としてく見、然(かくぜん)として獨立し、(しばしば)省みて績を考へ、以て臣下に臨む。此れ人君の操なり。

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