延喜格式(読み)えんぎきゃくしき

改訂新版 世界大百科事典 「延喜格式」の意味・わかりやすい解説

延喜格式 (えんぎきゃくしき)

養老律令に対する補充法典として編纂された三代格式の一つ。905年(延喜5)編纂開始。格12巻は907年に撰進され,908年に施行されたが,式50巻は編纂に手間どり,927年(延長5)にいったん完成奏上,その後も修訂事業が続けられ,967年(康保4)に至ってようやく施行された。《延喜格》は先行の《弘仁格》《貞観格》の両格と併用することを前提として,869年(貞観11)から907年に至る間の詔,勅,太政官符などを官司別に編纂し,これに雑格と臨時格とを付加している。一方《延喜式》は先行の《弘仁式》《貞観式》の式文やその後に改定された施行細則をすべて集大成する形で編纂された。この延喜格式の編纂とならんで,その姉妹法典とも言うべき《延喜儀式》《延喜交替式》の編纂も行われた。今日《延喜格》は伝わっていないが,《類聚三代格所収のものや,《政事要略》などに引かれた逸文によって,その大部分を知ることができる。一方《延喜式》は全50巻がほぼ完全な姿で今日に伝えられている。
延喜式 →律令格式
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百科事典マイペディア 「延喜格式」の意味・わかりやすい解説

延喜格式【えんぎきゃくしき】

養老律令(ようろうりつりょう)》の補充法典として編纂された,三代格式(さんだいきゃくしき)の一。905年に編纂が始められ,格12巻は907年撰進・908年施行。869年−907年に至る格を官司別に収め,雑格・臨時格を付け加える。いっぽう式(延喜式)50巻は927年撰進・967年施行。〈延喜格〉の原文は散逸し,《類聚三代格》所収のものと逸文が知られる。これに対し《延喜式》はほぼ完全な形で伝えられている。
→関連項目藤原時平

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旺文社日本史事典 三訂版 「延喜格式」の解説

延喜格式
えんぎきゃくしき

平安中期の法令集。三代格式の一つ
醍醐 (だいご) 天皇の命により編集に着手。延喜格は藤原時平らの編集により907年完成。869〜907年の重要法令を集録した。10巻。延喜式は藤原忠平らの編集により927年完成。967年施行。さきに編集された弘仁・貞観両式を集成し,それ以外の式を追加したもの。のちの貴族政治のよりどころとなった。50巻。律令制度についての重要史料。

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