精選版 日本国語大辞典 「弓取」の意味・読み・例文・類語
ゆみ‐とり【弓取】
- 〘 名詞 〙
- ① 弓を手に持つこと。弓を用いること。また、その人。
- [初出の実例]「或所に強盗入たりけるに、弓とりに法師をたてたりけるが」(出典:古今著聞集(1254)一二)
- ② 弓術にすぐれていること。また、その人。
- [初出の実例]「行平。日本無双弓取也」(出典:吾妻鏡‐文治元年(1185)八月二四日)
- 「生付たる弓取なれば、矢つかゆてのかひな四寸まさりて長し」(出典:半井本保元(1220頃か)上)
- ③ 弓矢を持つことを勤めとすること。また、その人。武士。
- ④ 一国を領有するほどの武家。
- [初出の実例]「国持、度々合戦に勝、数ケ所城をせめとり、覇ありて、文を嗜、能人を見しる大将を、文武二道の弓取とほめて」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品四〇上)
- ⑤ 相撲で、弓取式のこと。また、それを行なう力士。
- [初出の実例]「小金山大関に代って其弓を受け即ち弓取の役を勤め」(出典:郵便報知新聞‐明治一七年(1884)二月二八日)
- ⑥ 巫女の忌詞で、夫のこと。
- [初出の実例]「コレナア弓(ユミ)とり殿」(出典:談義本・八景聞取法問(1754)三)