弓作りの専門職人。古代の8世紀までは弓削(ゆげ)という工人がいた。自然のままの丸木弓でなく、桑・槻(つき)・檀(まゆみ)などの木を削ってつくっていた。12世紀になって、木の外側に竹を当てるようになり、弓作りが職人として独立した。15世紀後半には左右両側に真竹(まだけ)を割ったものをつけたが、16世紀には木と竹を交互に張ったものを芯(しん)とする胎(ひご)弓となった。弓の幹の割れを防ぐために、麻糸や籐(とう)を巻いて漆を塗った塗弓も13世紀にはできた。接着剤は牛の膠(にかわ)で、反りをつけるために加熱したり楔(くさび)を打った。17世紀から弓作りは弓師といわれた。居職(いじょく)で、弦(つる)は弦師から入手した。弓屋は弓の製造・販売の店である。弓は戦闘用であるが、競技用にも使われ、近世では通矢(とおしや)という歩射(ぶしゃ)も行われた。一方、遊戯用としても古代からいろいろな弓が現れたが、17世紀には、楊弓(ようきゅう)の楊弓師と楊弓矢師とが生まれた。楊弓は小弓で、楊弓師が矢をつくることもあった。
[遠藤元男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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