ひけ‐め【引目】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 形動 ) 進んで行なうことを避け、目立たないようにふるまうこと。また、そのさま。控え目。
- [初出の実例]「言語動作の何事に附け引け目にて遠慮勝ちに見えたるは」(出典:経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後)
- ② 自分が他人より劣っているような感じ。肩身の狭い思い。気おくれすること。劣等感。
- [初出の実例]「葉子は何事につけても愚痴っぽくひけ目になる自分を見出した」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉後)
- ③ 他に対して弱味・欠点として自覚している点。弱点。
- [初出の実例]「此方の敗目(ヒケメ)を恐れて強(むり)やりに引留めた」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉電影)
- ④ 穀類、液体などを他に移すとき量目が減少すること。
ひき‐め【引目】
- 〘 名詞 〙
- ① 画法の一つ。大和絵で、細い直線を横に引いて描いた人物の目。
- ② 文楽の人形の操作で、両眼を同時に一方に寄せること。また、その目。
- ③ ( 「ひきめを負う」の形で ) 他人のそしりや職務上の失態などによる不祥事。よくない事。
- [初出の実例]「平人白衣の位な者が高い位にながいしてひきめををわうではないと云心ぞ」(出典:玉塵抄(1563)二五)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の引目の言及
【鳴弦】より
…弦打(つるうち)ともいう。弓矢の威徳による破邪の法で,後世になるとわざわざ高い音を響かせる引目(蟇目(ひきめ))という鏑矢(かぶらや)を用いて射る法も生じた。平安時代においては生誕儀礼としての湯殿始(ゆどのはじめ)の読書(とくしよ)鳴弦の儀として行われたのをはじめ,出産時,夜中の警護,不吉な場合,病気のおりなどに行われ,また天皇の日常の入浴に際しても行われた。…
※「引目」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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