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強心配糖体 きょうしんはいとうたいcardiac glycoside

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

強心配糖体
きょうしんはいとうたい
cardiac glycoside

心臓の収縮力を強化する,いわゆる強心作用をもつ一群のステロイド配糖体。ジギタリスジギトキシン,ギトキシンなど,キョウチクトウ科Strophanthus gratusから得られるウワバイン (g-ストロファンチン) ,ユリ科などの植物のアドニトキシン,シラレンなど,各種植物から得られるものがある。配位している糖には固有のものもあり,たとえばジギトキシンには3分子のジギトキソースが3分子結合している。これら配糖体の糖を除いた部分,すなわちアグリコン部分はゲニンと総称され,個々の場合にはジギトゲニン,ウワバゲニンなどと呼ぶが,これらゲニンも一般に強心作用をもち,原配糖体よりかえって強力なこともある。ガマ毒の強心作用物質ブフォタリンもゲニンの構造をもつ。ジギトキシンなどは慢性,ウワバインは急性の症状に対して用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

強心配糖体
きょうしんはいとうたい

強心作用をもつ配糖体で、心不全の治療薬として重要である。ジギタリス類の葉からとるジギタリス配糖体がもっとも有名で、ジギトキシン、ジゴキシン、ラナトシドC、デスラノシド、メチルジゴキシンがある。そのほか海葱(かいそう)(ユリ科のカイソウの鱗茎(りんけい))の配糖体であるプロスシラリジン、キョウチクトウ科のストロファンツス類の種子の配糖体G‐ストロファンチンがその代表的な薬剤である。
 おもな薬理作用としては、心筋収縮力の増強、心拍動数の減少、房室間刺激伝導の阻止があり、そのほか利尿作用、催吐作用も有する。強心配糖体は安全域が狭く、感受性も個人差が大きい。過量に投与すると、吐き気、頭痛、不整脈などの中毒症状を呈する。[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の強心配糖体の言及

【強心薬】より

…強心薬としてのジギタリス葉はすでに17世紀のロンドン薬局方に記載されていたといわれ,ストロファンッスは1860年のリビングストンのアフリカ探検で紹介された。これらの有効成分は,いずれもステロイド骨格を有する配糖体であることが判明し,強心配糖体とよばれる。上記の主要植物以外では,スズラン,セイヨウキョウチクトウ,フクジュソウ,オモトなどにも含まれる。…

【薬用植物】より

…このうち洋薬とは古代からヨーロッパで使われてきたものに,16世紀以降,新大陸,アフリカおよび東南アジア地域で利用されていたものが移入されて,その薬効成分が研究され,強い生理作用をもつ生薬が加えられたものである。強い生理作用をもつ生薬の多くはアルカロイドか強心配糖体を含んでいる。
[薬効]
 薬用植物には治療に使うものと,健康保持などの予防に使うものがあるが,それらの種類および使用量ならびに頻度は圧倒的に後者にかたよっている。…

※「強心配糖体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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