六訂版 家庭医学大全科 「弾力線維性仮性黄色腫」の解説
弾力線維性仮性黄色腫
だんりょくせんいせいかせいおうしょくしゅ
Pseudoxanthoma elasticum
(皮膚の病気)
どんな病気か
弾力線維の変性(組織が壊れる)により、皮膚、眼、血管などの強度が障害される病気で、先天性の遺伝性疾患です。
原因は何か
ABCトランスポーターと呼ばれる遺伝子の異常が原因と考えられています。
症状の現れ方
眼の症状としては網膜の色素線条(すじ)が特徴的です。両側にでき、20~40歳で発見されます。ほかに、眼底出血、
心・血管系の症状としては、末梢動脈の狭小化・閉塞、動脈波の減弱、
検査と診断
眼の網膜の色素線条が10割近くに認められます。心臓には心電図の異常、末梢動脈の石灰沈着、血管
治療の方法
皮膚の症状から本症を疑って診断を確定させることは、眼、心疾患の早期発見につながって予後に関係します。
経過は慢性で、加齢とともに現れるため、眼科・内科的フォローアップが重要です。皮膚は美容的治療になります。眼の症状については、早期発見による経過観察およびレーザー治療で、失明を防ぎます。
病気に気づいたらどうする
皮膚、眼科、内科を受診します。
宇谷 厚志
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報