デジタル大辞泉
「弾糸」の意味・読み・例文・類語
だん‐し【弾糸】
1 琴・三味線などの弦楽器をひくこと。
2 胞子を散布する糸状の器官。スギナでは胞子に付着し、苔類では胞子嚢内に胞子と共在しており、湿っているときは胞子に絡みつき、乾燥すれば伸びて胞子をはじき出す。
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だん‐し【弾糸】
- 〘 名詞 〙
- ① 琴、箏など、弦を張った楽器をひくこと。
- [初出の実例]「而同年十一月還二到本任一。仍設二詩酒之宴一弾絲飲楽」(出典:万葉集(8C後)一七・三九六一・左注)
- [その他の文献]〔江総‐宴楽脩堂応令詩〕
- ② 苔類(たいるい)の胞子嚢の中に胞子とまざって存在する胞子の散布器官。胞子嚢中の胞原組織の一部が胞子とならず糸状になったもので、吸湿性に富み、乾燥すると伸び湿ると巻く。シダのトクサ類では胞子に付着して四本のひも状体があり、これを弾糸と呼んでいる。胞子の外膜が厚化して生じたもので先端はスプーン状にふくれ、乾燥すると開き、湿ると胞子に巻きつく。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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弾糸 (だんし)
elater
苔類およびツノゴケ類の胞子囊(蒴(さく))中に胞子とともに存在する糸状の細胞。胞原細胞に由来するが,胞子と異なり減数分裂を経ないで形成される。ふつう1~数本のらせん肥厚をもち,大気中の湿度の変化に対して鋭敏に反応して伸縮する。変形菌類の一部(トリキア属)にも,胞子囊中にらせん肥厚をもつ糸状の構造があり,弾糸と呼ばれる。この弾糸は変形菌類に広く見られる細毛体の一種であり,胞子囊内に生じた多数の管状の腔所に原形質からの分泌物がたまって固まったものである。また,担子菌の腹菌類の子実体中にも細毛体または弾糸と呼ばれる糸状の構造が発達している。特にコウボウフデ属の弾糸はらせん肥厚をもち苔類のそれによく似ている。担子菌類の弾糸は菌糸そのものである。シダ植物のトクサ属の胞子の表面には4本のひも状の構造が付着しているが,これも弾糸という。この弾糸は胞子の外膜に相当する。以上の各植物群の弾糸は発生学的には互いに全く異なる構造であるが,いずれもその乾湿運動によって胞子を効率よく散布させることに役だっている。
執筆者:北川 尚史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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弾糸
だんし
胞子を散布するための特別な装置をいい、形態学的に3種類に区別される。(1)苔類(たいるい)の胞子嚢(のう)中に胞子に混じってみられる細長い細胞で、胞子嚢中の胞原細胞の一部が胞子にならなかったものである。(2)トクサ属の胞子にみられる2本の紐(ひも)状の付着物で、これは胞子の外膜がはがれて厚膜化したものであり、各中央部で付着しているため4本にみえる。(1)(2)とも吸湿性に富み、乾燥すると伸び、湿ると巻く性質がある。(3)真正変形菌類にみられる非原形質性の細毛体を弾糸とよぶことがあり、胞子散布の働きをもつ。
[安田啓祐]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「弾糸」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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