後遺症と対策(読み)こういしょうとたいさく

家庭医学館 「後遺症と対策」の解説

こういしょうとたいさく【後遺症と対策】

後遺症のいろいろ
 脳細胞は、一度死んでしまうと再生されることはなく、損傷を受けた部位と範囲に応じたいろいろな後遺症が残ります。
 損傷を受けた脳の範囲が広い場合は、たとえ一命はとりとめても意識障害が残ります。意識障害の程度は、ほとんど正常だが少しおかしいという程度から、まったくコミュニケーションが不可能な植物状態までさまざまです。
 損傷の範囲は小さくても、部位によっては、認知症、失語症(しつごしょう)(しゃべれない、しゃべれても意味をなさない、ことばを理解できないなど)、不眠などの精神神経障害、しびれなどの感覚障害手足のまひなどの運動機能障害が残ることがあります。
 また、損傷が治り、あとに瘢痕はんこん)(ひきつれ)が残ると、その部分や周囲の組織がときどき興奮し、けいれんがおこることがあります(外傷性てんかん)。
●後遺症と対策
 けいれんは、抗けいれん薬服用発症を予防することが可能ですが、それ以外の後遺症は、残念ながら決め手となる治療法がなく、回復が容易でないことが多いのです。
 運動機能障害は、リハビリテーションで対応します。機能回復のためのリハビリテーションには、いろいろな方法があるので、根気よく続けることがたいせつです。
 精神神経障害や感覚障害は、症状に応じた服薬がおもな治療となりますが、症状に応じて精神科医や神経内科医に相談するのも1つの方法です。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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