改訂新版 世界大百科事典 「徐家匯」の意味・わかりやすい解説
徐家匯 (じょかわい)
Xú jiā huì
中国,上海市徐匯区の地名。市街地の南西端にあたり,バスのターミナルがあって,市区と郊外を結ぶ交通の中心である。上海の都市化が進む前は県城の南西近郊の農村地帯で,租界の拡張とともにフランス租界の南西端にくみいれられた。明の高級官僚であり,キリスト教徒の科学者でもあった徐光啓の生家があったところで,その墓もある。1847年(道光27)清朝のキリスト教解禁をうけて,フランスのイエズス会士が教会を建設したが,原地民の反対運動も激しく,徐家匯教案(仇教運動)として知られる。その後,教会は再建拡張され,イエズス会の中国布教本部が置かれ,各種の教育・福祉施設が付置されていた。中でも気象台は,中国の天文気象観測の中心として有名であった。
執筆者:秋山 元秀
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