( 1 )発生期は、天皇に対する最高敬意として用いられたが、時代が下るに従い待遇する対象が事物・事柄などに広がり、次第に丁寧語化した。②の挙例「謡曲・安宅」では、事物を主語としており、丁寧語化しつつある段階とみられる。
( 2 )室町末期以降は「ござある」に代わり、その縮約形「ござる」が一般化するのに呼応して、「ござない」から「ござる」の否定形「ござらぬ」へと交替する現象が見られる。
( 3 )尊敬語では、中世末期から近世初期の口語資料であるキリシタン資料(「天草本平家物語」など)、狂言台本(虎明本、虎清本、虎寛本など)などでは、すべて「ござらぬ」に限られ、「ござない」の例はない。
( 4 )丁寧語では、「ござない」が「ござらぬ」より優勢なものに、「天草本平家物語」「虎清本狂言」「醒睡笑」などがある。これに対し近世初期の外国資料「捷解新語」では、「ござらぬ」が優勢で、「ござない」は「御座なく候」などと候文で使用される程度でしかない。既に近世初期に「ござない」は、文語的性格を強めていたことが推測され、以後書簡用語として近代に至るまで広く一般に使用された。
「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...
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