御陰(読み)ミカゲ

デジタル大辞泉 「御陰」の意味・読み・例文・類語

み‐かげ【御陰/×蔭】

日を避けて陰となる所。転じて、御殿
「高知るやあめの―天知るや日の―」〈・五二〉
神・天皇から受けた恩恵。おかげ庇護
つくばねのこのかの面に蔭はあれど君が―にますかげはなし」〈古今東歌
頭に挿すかずら
品太ほむだ天皇すめらみことの―、この山にちき」〈播磨風土記

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御陰」の意味・読み・例文・類語

み‐かげ【御陰・御蔭】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接頭語 )
  2. (かげ)となるところ。→天の御蔭
  3. 神・天皇・貴人などから受けた恩恵。おかげ。
    1. [初出の実例]「夏山の霞くもらぬ夜半の月 みかげをしげみ万代をすめ〈藤原定家〉」(出典:菟玖波集(1356)賀)
  4. 頭髪にさす、かつらを敬っていう語。
    1. [初出の実例]「華縵を以て殯宮に進る。此を御蔭(みかげ)と曰す」(出典日本書紀(720)持統元年三月)

み‐ほと【御陰】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接頭語 )
  2. 敬われる女性陰部をいう。
    1. [初出の実例]「此の子を生みしに因りて、美蕃登(ミホト)〈此の三字は音を以ゐる〉炙(や)かえて病み臥せり」(出典:古事記(712)上)
  3. 山を敬ってそのくぼんだ所をいう。
    1. [初出の実例]「御陵は畝火山の美富登(ミホト)に在り」(出典:古事記(712)中)

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