微量で動物の栄養を支配し、その生命維持や成長に欠くことのできない食品成分で、微量要素とも書き、また微量養分、微量栄養素ともいう。ビタミンや無機元素が含まれる。ヒトでは、その欠乏症は特殊な場合を除いて観察されなくなってきた。植物では、おもに水栽培のときにカルシウムやマグネシウムなどの多量養素に対し、鉄や亜鉛をはじめ、マンガン、銅、ホウ素、モリブデンなどを微量養素とよぶ。
[有馬暉勝・有馬太郎・竹内多美代]
『三崎旭・角田万里子・小原郁夫・本沢真弓著『栄養学のための生化学』(1993・朝倉書店)』▽『田中春彦著『環境と人にやさしい化学』(1994/2003・改訂版・培風館)』