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必要労働・剰余労働 ひつようろうどうじょうよろうどう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

必要労働・剰余労働
ひつようろうどうじょうよろうどう
notwendige ArbeitMehrarbeitドイツ語

直接的生産者が自分と家族に必要な生活資料を生産するための労働を必要労働といい、これを超えて行われる労働を剰余労働という。生産力の発展とともに剰余労働が形成されるようになるが、階級社会が成立すると、剰余労働の生産物は生産手段の所有者のものとなる。たとえば、封建時代の賦役制度のもとでは、農奴は分与地で自分たちの必要なものを生産するとともに、直営地で領主のために剰余労働を行わなければならなかった。
 商品生産が高度に発展した資本主義社会においては、労働者は資本家に労働力を提供するかわりに、その価値に等しい賃金を受け取る。賃金を支払った資本家は労働者から現実の労働を引き出すが、その労働は、労働力の価値に等しい必要労働と剰余労働を含んでいる。しかし、現象的には賃金は労働力に対してではなく、労働に対して支払われるようにみえるので、資本家による剰余労働の取得は隠蔽(いんぺい)されている。[湯浅良雄]
『K・マルクス著『賃労働と資本』(長谷部文雄訳・岩波文庫/村田陽一訳・大月書店・国民文庫) ▽K・マルクス著『資本論』(向坂逸郎訳・岩波文庫/岡崎次郎訳・大月書店・国民文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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