デジタル大辞泉
「思草」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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おもい‐ぐさおもひ‥【思草】
- 〘 名詞 〙
- ① 植物「なんばんギセル(南蛮煙管)」の異名。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「道辺の尾花が下の思草(おもひぐさ)今さらになに物か思はむ」(出典:万葉集(8C後)一〇・二二七〇)
- ② 植物「おみなえし(女郎花)」の異名。
- [初出の実例]「女郎花おなじ野べなるおもひ草いま手枕にひき結びてむ」(出典:行宗集(1140頃))
- ③ タバコの異称。
- [初出の実例]「煙管にくゆる火も、〈略〉吹きて乱るる薄煙、空に消えては是もまた、行方も知らぬ相おもひぐさ」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))
思草の補助注記
どの植物を指すのかについては古来諸説がある。和歌で「尾花が下の思草」と詠まれることが多いところから、ススキなどの根に寄生する南蛮煙管と推定されている。「思ふ」を導いたり、「思ひ種」にかけたりして用いられるが、下向きに花をつける形が思案する人の姿を連想させることによるものか。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の思草の言及
【ナンバンギセル(南蛮煙管)】より
…長い花柄の先に筒形の大きな紅紫色の花をつけ,パイプに似るので南蛮煙管の名がある。《万葉集》には思草(おもいぐさ)の名で出てくる。茎はごく短く,ほとんど地上にでず,黄色から赤褐色で,狭三角形の鱗片状の小さな葉をまばらにつける。…
※「思草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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