悪地(読み)アクチ

精選版 日本国語大辞典 「悪地」の意味・読み・例文・類語

あく‐ち【悪地】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あくぢ」とも ) 地質の劣悪な土壌。軟弱な地層から成る緩傾斜地。また、そのような土地柄
    1. [初出の実例]「Acugi(アクヂ)。アシイ ツチ」(出典日葡辞書(1603‐04))
    2. [その他の文献]〔史記‐陳余伝〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「悪地」の意味・わかりやすい解説

悪地
あくち

雨食によって急な谷壁と無数の細かい峰がつくられ、通過困難な地形。バッドランドbadlandともいう。固まっていない岩石粘土からなる地域で、乾燥、半乾燥地域のように植生がないか、まばらな地域に生成しやすい。この地形の典型は、アメリカのサウス・ダコタ州のビッグ・バッドランドにある国立記念地で、440平方キロメートルに及び、奇観を呈する。ここにはほとんど植生がなく、最初インディアンの狩猟隊によって発見され、荒涼として通過困難なためバッドランドと名づけられた。これに類した地形はアメリカのワイオミングコロラドカンザスネブラスカアリゾナ州などの乾燥地域に分布するほか、黄土(こうど)(レス)からなる中国の山西省にも広く分布する。また、土地の乱開発や不適当な土壌保全のため悪地を形成している例としては、アメリカのテネシー州の銅鉱山ダックタウン周辺や、栃木県の足尾銅鉱山周辺がある。

[市川正巳]

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