情報の蓄積のなかから必要なものを選別して取り出すこと、また、その技術やシステムのこともいう。もっとも簡単な情報検索の例は、アドレス帳で相手の電話番号を調べることである。この場合、情報の蓄積は知人等の氏名と電話番号であり、たいていはそれが音順に並べてあるから、相手の氏名を音順に並んだリストから照合して、必要な情報すなわち電話番号を取り出すことができる。
社会システムのなかで情報検索が必要な場面はいろいろある。特許情報の検索、技術文献の検索、化合物や薬品の検索、法令・条例の検索、犯罪者の検索、運転免許者の検索、保険・貸金業利用者のブラックリストの検索、結婚相手の検索、求人・求職者の検索、放送フィルム・ライブラリーの検索、ニュース・事件の検索、学齢者・成人者の検索など、ほとんどの事務処理は情報検索をなんらかの形で含んでいるといってよい。
検索する内容は、特許情報や文献情報のように件名・題名が検索されたとして、そのうえに原始情報の内容が必要な場合が多い。さらに、必要な情報がある範囲に及ぶ場合、利用者が必要とする範囲をどうやって表現するかが問題である。文献検索では、検索する範囲を指定するためにキーワード方式をとる場合が多い。文献を登録する場合、その文献の内容に関連の深い単語をいくつかつけておく。利用者が、たとえば「ディーゼル機関」と「大気汚染」というキーワードを指定すると、この二つのキーワードをもった文献を検索システムが探してくれて、その題名を一覧表にして出力する(キーワード検索)。この場合、文献に含まれる原論文の蓄積が別に必要となる。題名を探す仕事はコンピュータが実行することができる。原論文を取り出すためには、あらかじめ論文を印刷した誌面をスキャナーなどで読み取って画像データとして記憶しておいたり、文字読取り装置を用いて文字データとして蓄積しておくなどの作業が必要である。
検索する範囲を記述するとき、必要なものが漏れたり、不要なものが入ったりしないようにしなくてはならない。このために、キーワードの組合せを論理式で表現したり、さらに日常用語に近い記述が可能になるような試みがなされている。
[小野勝章]
キーワード検索に加えて、シソーラス(同義語・同類語などをまとめた辞書)を使ってデータベースの検索を行う。インターネット上のデータを検索する場合は、検索エンジン(サーチ・エンジン)というツールを使って行う。おもな検索エンジンにヤフーYahoo!、グーグルGoogleなどがある。
[編集部]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ある目的のために一定の形式で情報が集積されている場合,これらのなかから入手したい情報を探しだすことをいう.これらの情報は,検索が容易になるよう検索の鍵となる用語を定めるとか,配列を決めるなど,整理されていることが必要である.情報の利用価値は検索手段がどれほど完備しているかによって決まる.情報検索にコンピューターを利用することにより,集積された情報の検索が容易なだけでなく,情報の追加,修正,削除などの管理が容易になる.最近のインターネット環境の整備により,個人あるいは組織内の情報に限らず,広く世界中から情報を検索することも容易になった.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
「IR」のページをご覧ください。
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
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